記憶の魔法
「記憶の魔法」
作 菅原 悠人
登場人物(男2・女3)
ミーヤ
女1
学園長
優人(ユウト)
瑞樹(ミズキ)
舞台は魔法界の監獄。人間界に行ったミーヤは優人と瑞樹と友達になった。しかし、ミーヤは魔法界の規則を破ったことで魔法界に強制的に帰還した。帰還した場所は罪を犯した者が監禁される場所だった。魔法界は未熟な者、使えなくなったものはすぐに処分させてしまう、そんな世界。
ミーヤ、舞台中央に横になっている。
照明がつく
ミーヤ、起きる
ミー ここは
学長 起きたか、ミーヤ
学園長、上手から出てくる
ミー 学園長!?ここはどこですか?
学長 ここは監獄だ
ミー 監獄!?なんで
学長 それは君自身がよく知っているだろう
ミー ……分かりません
学長 君は私の学校の中でも特に優秀な生徒だった、友を作らず一人で魔法の修行をし、教師を超える力を得た。だから私は君に人間界に行ってもらった
ミー 学園長
学長 だが君は人間に深く干渉してはいけない魔法界の規則を破り人間を救ってしま
った。失望したよ。君は私に忠実で優秀な生徒だった。だが、期待外れだったか
ミー それは、ごめんなさい。でも、後悔はありません。そのおかげで僕は友だちが出来た
学長 友だち?
ミー はい
学長 確かそれは姉弟だったな、姉は瑞樹、弟は優人とか言ったか
ミー なんでそれを
学長 私は全てを知っている
ミー ……
学長 ふん、魔法も使えない人間を救ってどうなる。人間は弱い、私たち魔法使いがちょっと魔法を使うだけで骨は砕け精神は崩壊する。脆弱で無価値な生き物だ。
ミー ……
学長 だが魔法使いは違う。魔法使いは偉大な存在だ、これからの未来を築き上げることができる!人間なんかとは格が違う
ミー ……違う
学長 なに?
ミー 確かに人間の一人一人の力は弱いのかもしれない。でも、人間は自分が弱い存在だと分かっている。だから人間は協力する、自分が弱い部分を別の人が補い、また別の人が弱い部分も違う人が補う、それを繰り返すことで人間は強くなるんだ、僕たち魔法使いには絶対出来ない
学長 そうか
ミー それに、人間は愛に溢れている。人間界で友だちがいなかった僕のことを、あの姉弟は友だちと言ってくれた。あの時間は僕の宝物だ。だから、また、一緒に
学長 君は自分が人間界でしたことが分かっていないようだ
ミー どういうことですか
学長 君は人間界にとって迷惑な存在なのだよ
ミー そんな、ことは
学長 君が人間界に行かなければ、君が贔屓しているあの姉弟の両親に余計なことをしていなければ、二人は苦しい目にあっていなかったかもしれない。君は人間を救っている気になっているが、君自身が原因を作りそれを解決したに過ぎない
ミー そんなこと分かっています
学長 そんな愚かな君に教えてあげよう。君は明日死ぬ
ミー え
学長 君は火刑にされるんだ
ミー なんで
学長 見せしめだ
ミー 見せしめ?
学長 魔法界の規則を破った者の結末を我が生徒たちに見てもらい、二度と君のような愚かな生徒が出ないようにするために、君の命を有効活用させていただく
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