待ち合わせできない呪い
(暗転)
魔女「……12月24日、何がクリスマスイブだ……クリスマスなのに浮かれている奴らには呪いをかけてやりたい……」
着信音
魔女「もしもし?……はい、私がそうですけど……えっ!?呪いをかけてほしいリア充がいる!?いやでも私、呪文を知らな……教えてくださる!?もちろんです!お受けいたします!それでそのリア充は……はい……はい……わかりました、必ず呪います、はい、それでは」
電話を切る音
(全照)
中井「今日はクリスマスイブ、そして愛しの彼女とデートなオレ!」
中井、スマホを取り出す
中井「ちょーっと、早く着きすぎちゃったかなー!いや、でも約束の2時間前行動、基本中の基本だよな!」
着信音、電話に出る
中井「はい、もしもし……あっ、静香ちゃん?うん、そうそう、約束は駅前の広場のクリスマスツリーの前だよね、うん、えっ?もう着いてるのかって?……ははは、まさか!まさか、ね……うん、それじゃあね!」
電話を切る
中井「2時間も早く着いてるなんて、はしゃぎすぎって笑われちゃうからね!なんたっオレはクールに生きてるから!certificateな男、それが、オレ!」
中井、落ち着いてベンチに座る
中井「とりあえず2時間、暇潰しに素数を数えるぞ!ええと、1、2、3、5、7……」
(暗転)
(明転)
中井「3557、3559、3571……静香ちゃん、遅いな」
着信音
中井「あ、静香ちゃんか」
電話に出る
中井「もしもし?」
静香、上手から登場
静香「中井君?ツリーの前に着いたんだけど……中井君が見当たらないのよね」
中井「あれ?おかしいな、オレもツリーの前にいるんだけど……オレ、ツリーの前のベンチに座ってるよ?」
静香、誰も座っていない方のベンチを見る
静香「え?ベンチに誰も座ってないじゃない」
中井「おっかしいなー……ベンチもう一個あったっけ……?」
二人、ツリーの周りを半分回る
静香「もう1週しちゃったわよ、どこにいるの?」
中井「あれ……?オレも1週しちゃった……」
静香「広場間違えたとか」
中井「あれ、北広場と南広場間違えたかな?約束は北広場だよね」
1/6
面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種
Windows
Macintosh
E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。