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ラ・ラ・ラーメン

「ラ・ラ・ラーメン」

早乙女らら（ララ）　　ラーメン早乙女の一人娘。男勝りな性格でミュージカル女優になるのが夢。
早乙女文太（オヤジ）　ララの父。不器用で無口。背中というよりは、まな板で語る。
貝原拓味（タクミ）　　一見気弱なお坊ちゃん大学生。
アキラ裁判長　　　　　　人気ブログ「二丁目ラーメン裁判所」のライター。オネエキャラ。
謎の貴婦人　　　　　　　その正体は謎

ナレーション　　　　　　舞台は、とある田舎の商店街の一角にある店　「ラーメン早乙女」

ララ　　　　　　　　　　オヤジ・・・母さんが出て行っちゃって、男手一つで私を育ててくれたこと、ほんと感謝してる。
　　　　　　　　　　　　ラーメン屋なんてダサいとか言ってたこともあったけど、あれはほら、思春期のアレだから・・・
　　　　　　　　　　　　ほんとはこの店も、この商店街も大好きなんだけど、私、ミュージカル女優になる夢、諦めきれないんだ。
　　　　　　　　　　　　そしたら母さんだってどこかで見てくれるかもしれないし・・・だからあたし東京に行くね。ごめん・・・
　　　　　　　　　　　　（厨房に向かって話しかけた後、大きい旅行かばんを持って走り去る）

オヤジ　　　　　　　　　トントントントントン・・・
　　　　　　　　　　　　（厨房で無言でネギを刻む）

ナレーション　　　　　　それから１か月後

　　　　　　　　　　　　カラガラガラ・・・（戸を開ける音）
ララ　　　　　　　　　　た、ただいま・・・いやーやっぱダメだったわ。東京は甘くないね。飛び入りで手当たり次第に劇団のオーディション
　　　　　　　　　　　　受けたんだけど・・・苦労してやっともらえた役はキングコングと戦うライオンの役だって。「このか弱い私がなんで猛獣の役なのよ！
　　　　　　　　　　　　ロミオとジュリエットのジュリエット役やらせてよ！」って言ったら、もう来なくて良いってさ・・・
　　　　　　　　　　　　夢もお金も無くなっちゃって、急に一人ぼっちで不安になっちゃって、これからどうしようって塞ぎこんでたんだ。
　　　　　　　　　　　　それでもお腹はすくからさ、インスタントラーメン食べてたら、なんかオヤジの作ったラーメン思い出しちゃって、一人じゃないんだ
　　　　　　　　　　　　って勇気をもらえたんだ。ラーメンってすごいんだね。
　　　　　　　　　　　　おやじ、私が小学校の時に書いた作文覚えてる？「私の夢は、ウチのラーメン屋を世界一のラーメン屋にすることです。」って
　　　　　　　　　　　　だから今度はその夢に向かって頑張ってみようと思うんだ。それでいつかブロードウェーに店を出して見返してやるんだ！
　　　　　　　　　　　　だからオヤジ！私にもこの店、手伝わせてくれないかな？

オヤジ　　　　　　　　　トントントントントン・・・
　　　　　　　　　　　　（厨房で無言でネギを刻む）
　　　　　　　　　　　　トン・・トトン、トン・・トトン
　　　　　　　　　　　　（リズムを変えてネギを刻む音）

ララ　　　　　　　　　　えっいいのか？やった！
　　　　　　　　　　　　（走って荷物を置いてきて、エプロンとバンダナを付けてくる）
　　　　　　　　　　　　じゃあ早速なんだけど、ラーメンの作り方、教えてほしいんだけど

オヤジ　　　　　　　　　トントントントントン・・・
　　　　　　　　　　　　（厨房で無言でネギを刻む）

ララ　　　　　　　　　　「教えることは無い、目で盗め」ってことだな。よーし、それくらいは覚悟の上だからね。
　　　　　　　　　　　　じゃあまず、材料はっと・・・冷蔵庫の中は・・ネギだけだな。じゃあ、この引き出しの中かな・・・
　　　　　　　　　　　　ん？これ、チキチキラーメンじゃないか！なんでインスタントラーメンがこんなにたくさんあるんだ・・・
　　　　　　　　　　　　お、オヤジ！？まさか？？？

　　　　　　　　　　　　カラガラガラ・・・（戸を開ける音）

ララ　　　　　　　　　　あ、お客さんだ

オヤジ　　　　　　　　　トントントントントン・・・

ララ　　　　　　　　　　おい、なんか言えよ！
　　　　　　　　　　　　あ、いらっしゃいませ。席はご自由にお座りください。ご注文お決まりでしたらお聞きしますが？

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