冥土からの土産
冥土からの土産

客…男、役者は女
案内人…男
配送員…2,3人

※客は男の文体ですが女の人が男をやるイメージでやって下さい
※客は終始感情薄めに。絶対に笑ったり泣いたりしない。

暗転中(ドクンドクンと心臓の鼓動音が響く)

客「僕は泣いた。わけもわからずに」
明転
ガラクタが山積みになってる部屋
椅子に座ってる案内人、コーヒーカップを片手に
目が覚める客
客「ハッ……」
客、体のあちこちを触る。特に顔を重点的に。
案内人「おかえり」
客「ただいま?」
案内人「いや、久しぶりってほどでもないかな?わりと早かったね、何年ぶり?」
客「お会いしたことありましたっけ?」
案内人「あー覚えてないかぁ、結構仲よかったんだけどなぁ」
客「すみません」
案内人「覚えてない?三途?♪を渡るなら、素直にぽっくり死にゃさんせ♪彼岸!(野球拳のリズムで)」
客「此岸!」
客&案内人「よよいのよい!」
客「ハッ!?体が勝手に。でもすいません思い出せません」
案内人「いいよいいよ、よくあることだし」
客「あのお聞きしたいんですけど」
案内人「ん?なに?」
客「僕ってもしかして死にました?」
案内人「もしかしなくても死んだよ」
客「あーやっぱりそうかぁ」
案内人「そんな気してた?」
客「そんな気してました。ひょっとするともしかして、くらいですが」
案内人「まぁそんなもんだよねぇ」
客「どんな感じでした?」
案内人「君の最期?」
客「僕の最期」
案内人「そうだねぇ強いて言えば……事故?」
客「事故かぁ」
案内人「覚えてない?」
客「あー悲鳴が聞こえたのだけはなんとなく」
案内人「あーそっか、後ろからバーンって感じだもんね」
客「あーそういうパターンですか」
案内人「そういうパターンでした」
客「それはどうしようもないなー」
案内人「どうしようもないね?」
客「来世はうまくいきますように」
祈る客
案内人「あーそうそう来世来世」
客「どうかしました?」
案内人「ちょっと話があるからこっち座って」
客「はぁ」
向かい合って座る客と案内人、お茶を出す案内人
案内人「粗茶ですが」
客「ご丁寧にどうも」
案内人「あ、おはぎ食べる?」
客「ありがとうございます」
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