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クズの恩返し

クズの恩返し
葛谷鶴正(クズヤツルマサ)…主人公、詐欺師、クズ
恩田恵美(オンダメグミ)…ヒロイン、病人故ニート
佐藤金平(サトウコンペイ)…闇金会社スターシュガー社長、クズヤの親友
前住尋(マエスミジン)…クズヤの住んでる部屋の前の住人(兼ね役可)
倉敷健二(クラシキケンジ)…ベテラン刑事、彼に調べられない情報はない、階級は警部補
鎌瀬狗一(カマセコウイチ)…倉敷の部下、噛ませ(国家の)犬、階級は巡査長
警部…倉敷と鎌瀬の上司、野心家
白木莉子(シラキリコ)…クズヤのアパートの管理人、一瞬しか出ない(兼ね役可)
木本未来(キモトミライ)…アナウンサー、一瞬しか出ない(兼ね役可)
法螺口(ホラグチ)…クズヤの使う偽名の一つ、弁護士の設定、他の人も大概だけど本当に一瞬しか出ない(兼ね役可)
恩田恵美(想像)…恩田がどんな人か分からない頃に出てくるクズヤの想像上の恩田。メルヘンな姫の格好(恩田本人でもいいけど恐らく間に合わないため)
モブ1、モブ2…クズヤの近隣住民(兼ね役可)
モブ3…バーの店員
モブ4?8…クズヤの回想にでてくる人々、クズヤを罵る(母親『父親でも可』、同級生三人、不良)
※モブ及び兼ね役勢は警察の同僚モブとしても出るかも(あと声だけの部分)
※基本クズヤが作中で演技をする時は仮面を被り咳払い、口パク。クズヤの横で真似される当人(スポットライト当てられてる)がセリフを言う形を取ってるとお考えください。

暗闇の中で声だけきこえる
クズヤ「むかーしむかし、と様式美的に言ってはみたけれども実際はそんなに昔でもないちょっと前の話、一人のクズがおりました」
散らかった部屋で電話するクズヤ(仮面被ってる)
クズヤ「ええ、しかしこちらも困ってるんですよ。ええ、今から警察の方に変わりますね。」
咳払い
倉敷「変わりました、はい、残念ですが今回はそちらの方に問題がありますので…はい。あー弁護士の方に変わりますね」
咳払い
法螺口「もしもし、私弁護士の法螺口と申します。今回の件では幸いけが人は出たものの死人は出なかったので示談で手を打つとお相手はおっしゃっています…ええ200万円ほど…ええ…はい。では指定の口座の方によろしくお願いします。はい、失礼いたします」
電話を切るクズヤ
クズヤ「ふぅーっ…今日の仕事終わりっと…。」
携帯が鳴る
クズヤ「おー佐藤か、ちょうどいいタイミングだった、呑みの誘いだろ？おお、今行く」
部屋を出るクズヤ
モブ1「あらあの人幽霊屋敷の人じゃない？」
モブ2「幽霊屋敷？」
モブ1「そうよ、あの部屋そんなに広さないはずなのにすごくたくさんの人の声が聞こえるのよ、でも誰も姿を見たことはないの」
モブ2「そうなの??」
モブ1「それにね…あの部屋―。」
クズヤ「あの、こんばんは」
にこやかに微笑むクズヤ
モブ二人「こ、こんばんは?」
居心地悪そうに逃げる近所の人
クズヤ「引っ越したばっかなのにもう騒がれ始めたのか……音漏れ気をつけないとなぁ。」
暗転

居酒屋

佐藤「それでそいつさ『来週中には用意できますから！』ってさ、まさか現実にそんなこと言うやついるなんてな、ドラマの見過ぎかよ、そんな時間あったらとっとと金作って来いっての」
クズヤ「逆にウチはテレビで散々やってんのに引っかかるからな、どうせ『自分は大丈夫』とか思ってんだぜ、まぁおかげさまで稼げるんだけどさ」
佐藤「ちょっと考えればわかりそうなもんだけどな」
クズヤ「気が動転しちまうともうさ、全っ然バレねぇんだよホント。馬鹿なヤツばっかだぜ。」
佐藤「まぁお前はうまいしなぁ、あ、久しぶりにアレ見せてくれよ。」
クズヤ「おーいいぞ」
佐藤「じゃあ……あのニュースキャスターで。」居酒屋にあるテレビを指す佐藤
咳払いし仮面を被るクズヤ
木本「次のニュースです。警察庁は本日、近年広がる特殊詐欺の被害を抑えるため対詐欺の専門組織の創設を決定しました…っておい面倒くせえの作りやがったな」
仮面を外すクズヤ
佐藤「おー流石元看板役者、うちのエースだった男だよ。」
クズヤ「それほどでもないけどな」
佐藤「看板役者は詐欺師に、脚本家は闇金に、ほんと芝居やってるヤツなんてろくなヤツいねぇな?」
ひとしきり笑う二人

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