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ＨＯＴ　ＣＯＦＦＥＥ

HOT COFFEE

田村・・・恋愛相談所代表
坂下・・・恋愛相談所助手
今野ヒロシ・・・恋愛相談所新人従業員
倉田ユキ・・・大手芸能プロダクション新人歌手・依頼人
中村リョウ・・・倉田の交際相手・画家
石倉・・・倉田の専属マネージャー
無茶苦茶なクライアント
中村の以前のスポンサー

＜オープニング＞路上
今野が１人で居る。スーツ着用。落ち込んでる様子。

今野：（封筒を１枚ずつ出しながら）不採用。不採用。不採用。・・・これもこれもこれも全部。（文面を読み上げる）残念ですが１日も早く貴方様の御希望されるお仕事に巡り合えます事を、心よりお祈り致しております・・・冗談じゃない。・・・（しばらく顔を伏せているが１つの封筒を取り出す）結局ここだけ。田村恋愛相談所。（封筒の中から取り出した紙には大きく「採用」の文字）・・・行くか。（気乗りしない感じ）

今野、退場。

暗転

＜１場＞田村恋愛相談所応接室
舞台中央で田村とクライアントがテーブルに座って仕事の依頼を打ち合わせ中。少し離れて坂下が立っている。

田村：では確認します。貴方は人気男性アイドルグループ・ジャニーズのキムタケと付き合いたい。最終的には結婚したい。子供は最低で４人欲しい。間違い無いですね？

クライアント：その通り！！（元気に）

今野、登場。

今野：本日よりこちらで働かせて頂く事になりました、今野です。宜しくお願いしま・・・

坂下：（被せて）あ、こっちこっち。

坂下、打ち合わせの邪魔にならないよう今野を自分の方へ引っ張る。坂下・今野は少し離れた場所から打ち合わせの様子を窺う。

田村：伺ったお話をまとめます。（メモを見ながら）まず、彼と面識は無い。

クライアント：毎日会ってるわよ！テレビ画面を通してね！

田村：（メモを見ながら）相手方の連絡先等は一切御存じない。

クライアント：ファンレターには私の全てを書いて毎日送っているから、向こうは私の連絡先知っているはずよ！

田村：（メモを見ながら）ただ、彼も貴女に好意を抱いている。

クライアント：彼、前のコンサートで私と目が合ったの！私の事をずっと見てたのね！

今野：（坂下に）何、これ。

坂下：いいから。

田村：分かりました。ではこれらの条件で貴女とキムタケさんが無事お付き合い出来るよう、私共が取り計らえばいい訳ですね。（笑顔で）お任せ下さい。

クライアント：本当！？なんて頼もしい！

坂下：来るわよ。

今野：へ？

田村：ところで喉渇いてませんか？飲み物をお出しします・・・アイスコーヒー！

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