ひそやかな綴文

〔キャスト〕
 男×2人
 女×2人

庄野 瀬月(しょうの せつき)  男
 文学同好会の会長。まともな恋愛をしたことがないのに恋愛小説を書く人。
 周りの会員が書かなくて困ってる。彼女はいない。

空飛 想壱(そらとび そういち) 男
 文学同好会の会員。SF小説が好き。とくに宇宙が絡む話が好き。
 彼女はいる。

反怖 明花(たんぼ めいか)   女
 文学同好会の会員。ホラー小説が好き。精神的なホラーはいいが、グロテスクなのは苦手。

絵本 佳奈(えもと かな)    女
 文学同好会の会員。絵本収集家。頭の中はお花畑のようでそうでない。




1 導入

  *場所は学内にある同好会の部屋
   舞台下手側に机。
   そこにある椅子に腰かける想壱、明花、佳奈の三人。楽しそうに話している。

想壱  ――それでさ、俺、心の底から驚いてな、

佳奈  腰を抜かしちゃった?

想壱  違うぞ!

明花  じゃあ、腰が折れた?

想壱  もっと違うぞ!?

明花  だって、夜道を歩いてて振り向いたら黒猫がついてきてたんでしょう?

想壱  だからといって、腰を抜かしたり折ったりはしない!

佳奈  なら、びっくりしたあと、どうしたの?

想壱  ……普通に無視して帰ったよ。

明花  つまんねっ。

想壱  うるせっ!

佳奈  オチなしかあ。

明花  もっとこう、おもしろい方向にいってほしかったよね。

佳奈  そうそう。その黒猫を追いかけたら、不思議な世界に迷い込んじゃったーとか。

明花  その夜、なにもいないはずの押し入れから猫の鳴き声が聞こえた―とか。

想壱  そんなこと起こってたまるか。せめてだな……。

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