PRISON
とある、刑務所。
犯罪の増えた世の中で、囚人がごった返してしる。
刑期の軽い者、重い者が関係なく同じ牢屋に入れられている。
朝食から帰って来た、一〇五号室の面々。
看守の安藤が、カギを開け、一列に並んだ、受刑者に、
看守 「(入れと諭す)」
ぞろぞろと、牢屋に入る。
看守、最後の人間が入るのを見届けて、カギを閉める。
看守 「番号!」
松井 「1」
川村 「2」
杉本 「3」
天野 「4」
足立 「5」
戸田 「6」
次原 「7」
松井 「一〇五号室、異常ありません!」
去っていく、看守。
看守を見届けて、全員落ち着く。
川村 「はぁ〜ぁ、しかし、くそまずい飯だな、相変わらず。」
松井 「仕方ないだろ、そういう所なんだ。」
ポケットの中から、パンを出す、川村。
足立 「あ〜!!川村さん、また、盗んだんですか?」
川村 「あれっぽっちじゃ、俺の腹は満たされん。」
と、言いながら、食べる。
足立 「少し、分けて下さいよ。僕も、あれだけじゃ、全然足りないですよ。」
川村 「食べたいなら、自分で盗めっての。」
足立 「え〜そんな〜。…。でも、ほんと、うまいっすよね〜。
どうやって、あれだけの監視の中で、盗むんですか?」
川村 「お前な、俺は、スリのプロだ。あれぐらいの監視じゃ、俺は捕まえられないっての。」
足立 「その技、僕にも教えて下さいよ。」
川村 「アホか!お前じゃ、一生無理だっての。」
足立 「何でですか〜?」
川村 「下着盗むのとは、訳が違うんだよ。」
天野 「って言っても、その技使って、捕まったから、ここに居るわけですよね。」
川村 「何度もいうけど、俺は、ワザと捕まったの!」
天野 「また、それですか…。」
川村 「ふん。俺は、詐欺師とは、しゃべらん。」
足立 「天野さんは、結婚詐欺師ですよ。男の人は、騙さないんじゃ…。」
天野 「足立。私は、詐欺師じゃない。」
足立 「え?結婚詐欺で捕まってるんじゃないんですか?」
天野 「私は、騙したつもりはない。本当に愛していただけだ。」
杉本 「そんな、恥ずかしいセリフ、よく平然と言えますね。」
天野 「別に、本当の事を言っただけだが?」
杉本 「…。」
天野 「そもそも、私の何がいけないのかな?詐欺の定義とは何かね?
不確定な要素が満載な法律で人を縛ることがナンセンス。
モテない政治家の僻みにしか聞こえないんだよ、私には。」
足立 「そんな難しい事わからないです。」
川村 「おっさん!何か言ってやれよ。」
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