ブギーマンの記憶
「ブギーマンの記憶」
作:ガッショーブ
登場人物
ルーナ:内気な15歳の少女。謎の男に父親と母親を殺された。
エリック:精神科医。事件当時の状況を確かめるためにルーナをカウンセリングする。
ライアン:ルーナの父親。謎の男に殺されたようだ。
ロビン:ルーナの母親。ルーナの目の前で謎の男に殺された。
ブギーマン:ルーナの家族を襲った張本人。ルーナにブギーマンと呼ばれる。
※精神科医役は性別どちらでも可
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エリックは部屋の中で一人、電話で話している。
エリック 「もしもし、エリックです。例のカウンセリングの話ですが、今日決行しま
す。はい、もちろん危険は承知です。ですが、奴はこのままでは永遠に…。
やらせてください、必ず全てを解決してみせます。…もし危なくなったら、
その時はお願いします。」
電話が切れる音とともに暗転
場面変わって、ルーナの家。
部屋の中で向かい合う形でエリックとルーナがイスに腰かけており、ルーナは眠っている。
エリックはルーナをゆするなどして状態が安定しているのを確認すると、指を鳴らしてル
―ナを起こす。
ルーナ 「!!!?」
エリック 「やあ、おはよう。」
ルーナは軽いパニックを起こしたように辺りを見回す。
エリック 「落ち着いて、ここは君の家だ。」
ルーナ 「あ…。」
エリックはルーナを優しくなだめ、ルーナは徐々に落ち着きを取り戻す。
エリック 「よし、いい子だ。よく眠っていたね。やはり病室なんかより自分の家の方が
リラックスできるだろう。君の回復のためにも、それはとても良いこと
だ。」
ルーナ 「はい…。」
エリック 「しっかり起きているか少しテストをしよう。自分の名前を言ってごらん。」
ルーナ 「ルーナ…『ルーナ・メイソン』…。」
エリック 「…本当に?」
ルーナ 「…?」
エリック 「いや、いいんだ。オーケー。意識はしっかりしているようだね。」
エリックは席に戻り自分のカバンから資料を取り出す。
ルーナ 「先生、何で…家にいるの? 私たち。」
エリックは言葉を濁すような顔をしつつ、資料やルーナの顔を見ながら話しだす。
エリック 「あー…そうだね、順を追って話そうか。まず、君の家にいる理由は、君によ
り安定した精神状態で話してもらうためだ。」
ルーナ 「まさか、またやるの・・・?」
エリック 「そうとも。病室での君はとても不安定でまともに話せる状態ではなかったか
らね。この家には今君と僕しかいない。まあ僕という部外者はいるが、この
家は外界とは遮断された君の最も安心できるスペースに限りなく近いもの
なっているはずだ。安心感は心にゆとりをもたらす。故に、君の記憶もより
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