魔女の国の少年俺!
魔女の国の少年俺!
<CAST>
宗 親……16歳の高校生。人間界から四人の魔女が統治する国「ディノル」へと迷い込んできた。かつて厨二病をこじらせ黒歴史として封印してきたが、この度めでたく再発した。
少々気の弱いところはあるが勘が鋭く、本人は第六感、シックスセンスだと言い張る。リゼ曰く『サトリ』の可能性がある
リーゼロッテ……裁きの魔女。年齢不詳。一人称は。ディノルの統治者で実際は誰よりも権力と魔力がある。見た目は華やかで大人の女性らしい。今回の事件の首謀者でもある。
ノ ー ス……北に配置された魔女。年齢不詳。四人の中一番しっかりしている。意地っ張りで器用貧乏。クールでうまく笑うことが出来ない。ウェストと仲良くしたいと思っている。今回の物語のキーマンの一人
ウ ェ ス ト……西に配置された魔女。年齢不詳。雰囲気話し方がふわふわしている。趣味はお菓子作り。リーゼロッテを尊敬しているため、いつもリゼにつっかかるイーストが苦手
イ ー ス ト……東に配置された魔女。年齢不詳。見た目や話し方が少年っぽい。一人称は僕。なんでもかんでも面白がる。リゼに敵対心を抱いている。サウスと仲が良いと思っている
サ ウ ス……南に配置された魔女。年齢不詳。黒を好んでいる。今回の物語のキーマン。愛猫のシュバルツが唯一の家族であり友だと思っている。
<プロローグ>
幕前にフードを被った女がいる。その腕には猫が抱きかかえられている
南 あぁ……そんな……まさか、シュバルツ、シュバルツ! どうして……! ああぁぁああ……!
?? 可愛そうに……大切なものを亡くしたのだな……その者を蘇らせる方法を教えてやろうか?
南 あ、あなたは……!
=暗転=
リゼ 『魔法』……それは人智の及ばない、超非科学的現象の総称。その力を自在に使いこなす、悪霊と交わり魔力を得たという女性のことを『魔女』という。
とは言え、[今や魔女を定義する簡潔な言葉は無い。絶対の加害者にして被害者。 癒し手にして破壊者。 悪魔の使徒にして神の使徒。 汝の視野と言葉で魔女を定義せよ。
それは汝の知的世界と願望とを映す鏡となる。]
申し遅れた。妾の名はリーゼロッテ。偉大なる魔女にして四人の魔女が統治する国、『ディノル』の支配者である。
東の魔女『イースト(各ピンスポ)』。西の魔女『ウェスト』。南の魔女『サウス』。北の魔女『ノース』が治めし平和な国ディノルにある事件が起こった。
そこで、妾は一つ、面白いゲームを思いついたのだ。我ら魔女は人間が嫌いでな、本来ならば口を利くことも嫌がる魔女が多いが、そなたたちは特別だ。
リーゼロッテ様直々にこのゲームに招待しよう! なぁに、難しい事ではない。そなた達は椅子に座ってこのゲームの成り行きを傍観していれば良い。
ただし、今からこのゲームの幕が下りるまで席を立つことは許されぬ。おしゃべりも禁止だ。トイレは……致し方あるまい、静かに行くがよい。
カメラ・携帯・ビデオでの撮影は……良しとしよう。妾の姿をとくと撮るが良いぞ!
さて、御託はこの位にしておいて、さっそくゲームをスタートさせよう。
=暗転=
<1>
北の魔女、東の魔女、西の魔女がそれぞれ、イスに座っている。
北 ここに集まったのは他でもない。……南の魔女、サウスがいなくなった。
東 んなこたぁとっくにわかってるってぇ。でなきゃ普段そこまで仲良くない僕らがこうして集まるわけないじゃん
北 サウスが消えて早3日。消息は不明。何の音沙汰もない
西 この前サウスにお菓子を渡しに行った時は元気だったのです。どっちかと言えば、あの日、体調が悪かったのはノースだったのです
北 あぁ、あの日か……確かに私は体調を崩していたな
東 あーのーねぇ、僕たちはお菓子だ体調だの世間話をするために集まってんじゃないの。分かるぅ? 今話すべきなのは、これからどうすべきかってことだろぉ?
西 そんなことイーストに言われなくても分かっているのです! 捜索を継続するか、代わりの魔女を立てるかってことです!
北 まぁそうムキになるな二人とも。とは言え、力を持つ代わりの魔女を立てるのが一番だろうな
東 僕はこのままでもいいと思うけどねぇ
西 でも、南の魔女の不在が長く続けば南の国の秩序が乱れますです! そうなると反乱が起こるかもしれないのです!
東 はっは! それだよそれぇ! 最っっ高に面白いじゃん! そうなったら一体どうなっちゃうんだろうねぇ? 興味あるなぁ僕は
北 不謹慎だぞ、イースト。それでも東の統治を任された魔女の言葉か
東 ノースは真面目すぎんだよぉ。真面目も真面目、大真面目。反吐が出るね!
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