la ventana
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志帆の前に四人の感情、それぞれ喜怒哀楽。
壁を隔てて一眞。
一眞「しーほ。そろそろ出て来いよ。今日の晩飯はカレーだぞ」
返事のない志帆
一眞「しーほ。しーほ。出て来いよ」
志帆「ほっといて」
一眞「ほっといてってことはないだろ。メシぐらいみんなで食おうぜ」
志帆「いらない。食べない。ほっといて」
一眞「頑固者」
志帆「ほっといてよ」
一眞「ほっといてちゃんって呼ぶぞ」
志帆「一眞のばーか」
一眞「バカって……おい! 志帆」
志帆「怒鳴らないでよ」
一眞「あーもう。先にメシ食っちまうからな」
一眞退場
座っていた感情、喜が立ち上がる。
喜「なんで行かないの? こんな嬉しいことないじゃん」
志帆「何が嬉しいのよ」
喜「だって、一眞が迎えに来てくれたんだよ? ご飯食べようよ」
志帆「……あんた、そんなこと言ってここから出たいだけでしょう?」
喜「何行ってるのよ。嬉しいことじゃないかっていってるの! 喜ばしいことじゃない」
志帆「そう?」
喜「モー素直じゃないんだから。こんな所に引きこもっても、いいことないじゃない!!」
志帆「この扉から出たいだけでしょ? ダメよ、あんた達道連れなんだから」
喜「一眞がむかえにきてくれたんだよー!! こんな嬉しいことってないのに」
志帆「嬉しい嬉しいうるさいよ。なに? あんたには嬉しいしかないわけ?」
喜「だって、私は喜びだもん。喜びと嬉しいしかないよ。それに、今は嬉しいでしょ?」
志帆「知らない」
喜「ねえ、もっと嬉しいとか喜びを見つけに行こうよ。いこーいこー!!!」
志帆「うるさい! 消えて!!!」
一眞登場
喜、再び座る
一眞「ヒステリーか? 志帆。お腹がすくと、いらいらするんだぞー」
志帆「もーほっといてよ」
一眞「またでた。志保のほっといて」
志帆「……」
一眞「しーほ。しほしほしほしほ……」
志帆「うざいよ」
一眞「……あんまり大声出すなよ。おばさんたちが心配してる」
一眞退場
怒、立ち上がる。そして志帆をけりつける。
志帆「なにすんのよ!!」
怒「お前何が気に入らないわけ? たーく、いらいらする」
志帆「何がよ」
怒「一眞が来てくれてんだろ!! なんでお前出ない訳?」
志帆「あんたには関係ないでしょ?」
怒「は? 何言ってんの? めっちゃ関係あるじゃん、あたし、あんただもん」
志帆「何が言いたいのよ。訳わかんない」
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