無人駅
登場人物

淵健作(フチ ケンサク) 大学一年 都会から来た
秋月琴海(アキヅキ コトミ) 大学一年 日傘を持っている
萩尾(ハギオ) 琴海の知り合いの老人 畑を持っている





第一幕 電車内


(電車の走る音FO)
(曲FI)

(座る健作はスマホを見ながらイヤホンをしている
上手から琴海が出てくる
琴海は健作のすぐ隣に座る
荷物を自分の横に置いてから琴海は健作に口パクで話しかける
健作は気が付かないので琴海は彼の肩を叩く
健作はイヤホンを片方だけとる)(曲の音量を下げる)

琴海「今日はいい天気ですね」
健作「はあ...?そうっスね」

(イヤホンを戻そうとする健作の手を琴海は掴む)

琴海「ねえ、淵 健作君だよね?」
健作「ええ、まあ...そうっス、けど...?」
琴海「私は琴海、秋月 琴美、淵君と同じ授業受けてるんだけど...」
健作「はあ...?」

(健作、ポケットからオーディオを取り出し音楽を止める) (曲CO)
(もう片方のイヤホンも外す)

琴海「知らない、よね...」

(琴海、残念そうにうつむく)

健作「なんか...すいません」
琴海「仕方ないよ、だって淵君いつもイヤホンしてスマホ見てるんだもん」

(健作は持っていたスマホをちらりと見てから鞄にしまう
その様子を見て琴海は口に手を当てて笑う)

琴海「ねえ?やっぱり、ここはつまらない?」
健作「はい?」
琴海「君、都会から来たんでしょ?私、都会の話聞いてみたかったの!あっ、ねえ、都会には空は無いって本当?」
健作「空...は、ないな」
琴海「空が無いってどういうことなの?」
健作「アンタ、本当に何も知らないんだな」

(健作は呆れた様に琴海を見る)

健作「...都会に空は無い、それは地下に都市があるからだ」
琴海「へえ...?モグラみたいだね...あれ?じゃあ地上はどうなってるの?」
健作「地上は全部ソーラーパネル、地下で使うエネルギーを作るんだ」
琴海「ここみたいに風車にすれば地上に住めるのに」
健作「化石燃料でも無い限り、それだけじゃエネルギーが足りない...そのうえ化石燃料なんて100年も前の話、もう存在しないだろ?」
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