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夏に灯篭

夏に灯篭

ナギサ
カホ
ミナト
アヤカ

夏祭りの日。夕暮れ。
祭りの音。近づいたり、遠ざかったりしている。
灯篭を持ったナギサがゆっくりと歩いてくる。
立ち止まる。何かを言っているようだが、祭りの音にかき消される。
ふと、黙り込むナギサ。
すると、祭りの音が消え、静寂が訪れる。

ナギサ　　夏が終わる

どこからか祭りの音が戻ってくる。
ナギサが一人立ちすくんでいると、そこにミナトが駆け込んでくる。

ミナト　　ナギサー！
ナギサ　　ミナト
ミナト　　早いな、さすがナギサ
ナギサ　　そんなことないよ。時間通りじゃないかな。カホとアヤカは？
ミナト　　さあな。まだ支度してるんじゃないか
ナギサ　　そっか
ミナト　　いつものことだしな。女子の時間は支度がかかる
ナギサ　　そうだな

浴衣姿のアヤカが走ってくる。

アヤカ　　お待たせしましたー！
ミナト　　アヤカ、遅い
アヤカ　　ごめんって。それより、どう？どう？（浴衣を見せながら）
ミナト　　浴衣姿でバタバタして、女の子なのにはしたない
アヤカ　　そうじゃないでしょ、もう！
ナギサ　　よく似合ってるよ
アヤカ　　えへへ、ありがとう
ミナト　　毎年毎年、めんどくさいやつ
アヤカ　　いいでしょ、別に
ナギサ　　アヤカ、カホは？
アヤカ　　ああ、置いてきちゃった
ミナト　　置いてきた！？
アヤカ　　急いでたし
ミナト　　それでも、置いてくるは無いわ
アヤカ　　でも、大丈夫よ、多分もうすぐ来るから
ミナト　　お前なあ…
アヤカ　　あ、ナギサナギサ
ナギサ　　ん？
アヤカ　　今日のカホ、めっちゃかわいいから
ナギサ　　え
カホ　　　ごめん！遅くなって…

浴衣姿のカホが急いで走り込んでくる。

ナギサ　　カホ
ミナト　　大丈夫か、カホ。アヤカに置き去りにされたって聞いたけど
アヤカ　　そんな言い方してないわよ
カホ　　　うん、大丈夫。私がアヤカについていけなかっただけだし
ミナト　　ってか、カホ、浴衣新しいの？
カホ　　　そうなの。よくわかったね

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