正義の見方?
*女子高生の超常的日常*
【登場人物】
●テル(輝姫:テルキ) 名前は冬の大三角形「ベテルギウス」より
愉快な両親と個性的な性格に恵まれ、『シリアスムードブレイカー』の名をほしいままにしている。おそらく体内の構成要素の八割をノリが占めており、以前親類の葬式でノリ禁止令を出された時には、三日でノリ欠乏症を起こし倒れたことがある。それから二日間不眠不休で周りを巻き込みボケ続けるという恐ろしい副作用が生じたため、以後ノリ禁止令は一度も発令されていない。
●シリュー(糸流:シリュウ) 名前は冬の大三角形「シリウス」より
多くのセンスと才能の持ち主で、『完璧系女子』としての自信と尊厳に溢れている。しかし、その異名に恥じぬよう日々努力と鍛錬に励んでいることはあまり知られていない。あえてマイノリティな意見を言ってしまうため、一度中二病予備軍と診断されたことがあり、本人も多少気にしている。我が強くひねくれている所もあるが、非常にノリが良い器用で不器用な人。
●シオン(紫苑:シオン) 名前は冬の大三角形「プロキオン」より
かなりノリは良いが、この三人の中では比較的常識的で多数派的。一般人代表。実はキャラの薄さをかなり気にしていたりいなかったりするが、他二人のあまりのキャラの濃さにより、ほぼ諦めの境地に達している。口調が一番安定しているため、作者が最も書きやすいようで書きにくい人。成績が三人の中で一番低い設定だが、何故かバカキャラは定着しなかった。
学校のどこかの教室。糸流と紫苑は机に向かい合って仲良さげに話している。
輝姫が踊りながら登場する。二人とも大して驚かない。
輝姫「はーはっはっはっ!!おはよう諸君!!元気にしてるかね!?」
糸流「もう昼」
輝姫「そんな細かいことはどうでもいいのだよ!こんな良き日に!さあさあ皆踊り明かそうじゃないか!!」
糸流「はい先生。どうしてそんなにテンションが高いんですか」
輝姫「ふふふふふ、シリュ―君。学年トップ……の射程圏内の頭脳をもってしても分からんかね」
糸流「遠回しにトップじゃないって言うのやめてくれない」
紫苑「はい先生!私のこの優秀な頭脳で見事答えてみせましょう!」
輝姫「ほう、シオン君。それでは発言を許可しよう」
面白いSEがあれば。(名探偵コナンとか)
紫苑「そう、ヒントは先生の言葉の中にあったのです。先生、登場して二つ目のセリフお願いできますか」
輝姫「そんな細かいことを気にしてどうするんだ!こんな素晴らしい日に!さあ!皆でお祭りだ!!」
紫苑「多少違いますがありがとうございます。鍵はこのセリフの中のある単語……。そう!それは他でもない、『こんな素晴らしい日』!つまり今日は素晴らしい日なのです!終業式しかなく午前中で忌まわしき拘束時間は終わり、昼過ぎの今から溢れんばかりの自由な時間!つまり冬休み!!これでテンションが上がらない訳がない!」
輝姫「全然違う(ニッコリ)」
紫苑「え。あ、じゃあクリスマスに何か予定でもあるとか?え!?もしかして彼氏!?彼氏出来たの!?私そんな話聞いてないよ!?」
輝姫「だっていないもーん」
糸流「シオンもまだまだね。テルのクリスマスなんて『わあ!!チキンだ!ケーキだ!!ご馳走がいっぱいだぁああ!!プレゼントまで貰えるなんて、一年に五回くらいクリスマスがあればいいのに〜!!』に決まってるでしょう。彼氏なんて十五年早いわ」
紫苑「あらやだ三十路迎えちゃう」
輝姫「ふっ、甘いな。それは去年までの私よ!今年はもっとクリスマスよりも楽しみな日があるのよ!!」
紫苑「えー、クリスマスより?」
輝姫「クリスマスより!もっと重要で大切で楽しみな日!!」
紫苑「あ!分かった!!『もーいーくつねーるーとー、おーしょおがつー』!!」
輝姫「のー!」
紫苑「正月も違うの?」
輝姫「違う!!」
糸流「……年越しそば」
輝姫「え?」
糸流「お年玉」
紫苑「シリュ―?」
糸流「色とりどりの餅」
輝姫「……や、やめろ」
糸流「ぜんざい、黒豆、昆布巻き」
輝姫「やめろ……やめろやめろやめろ!!!!!」
糸流「伊達巻!数の子!!錦卵!!!」
輝姫「違うんだあああああああああ!!!!!」
糸流「(とどめ)栗きんとん!!!!!」
輝姫、まるで撃ち抜かれたかのように倒れる。紫苑が輝姫のそばに駆け寄る。糸流が見下ろす形に。
紫苑「テル……!」
糸流「どう、これでも楽しみじゃないって言えるの?」
輝姫「くっ……!」
紫苑「もうやめてっ!!テルは、テルはよくやったわ!!」
輝姫「い……いんだ、シオン。ぐふっ」
紫苑「テル……っ!だめよ、動いちゃ……!」
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