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昴れいの優雅な日常

『昴れいの優雅な日常』

登場人物

昴　れい（すばる・女・高校生）

♯

　　　　　朝方の通学路
　　　　　昴れいがやってくる

　　　　　女生徒と爽やかに挨拶を交わしている

　　　　　やがて、一人の女生徒に気付く

昴　やぁ、おはよう！　気持ちの良い朝だね。柔らかい日差しと、小鳥のさえずりが新
　　たな一日を祝福してくれているようだ。見てごらん、桜だ。綺麗だね……。
　　しかし、あの子の美しさは儚いものだ。それでも精一杯咲き誇ろうとするその姿に
　　人の心は動かされるんだね。
　　おっと、すまない、自己紹介が遅れてしまった。
　　私は二年Ａ組の昴れい。君、見慣れない顔だね……。君のような可憐な子を、私が
　　忘れるはずないんだけど。
　　……転校生？　なるほど、道理で知らないわけだ。
　　こうして出会ったのも、何かの運命かもしれないね。
　　（他生徒に）おいおい、茶化さないでくれよ。ただ挨拶してるだけじゃないか。あ
　　あ、また後で。（女生徒に）ごめんごめん。ああ、よくわからないけど、なぜか「王
　　子」って呼ばれるんだ。あと、「ヅカっぽい」ってよく言われる。ははっ、ちょっと
　　何言ってるのかわからない。
　　（時間を確認する）ああ、いけない！　君とのお喋りが楽しくて遅刻しそうだ。
　　さ、急ごうか、お姫様！

♯
　　　　　授業中
　　　　　ノートをとっている昴
　　　　　やがて、隣の女生徒の視線に気付き笑顔を向ける

昴　どうしたんだい、私の顔は黒板じゃないよ。それにしても、こうやって君の隣で授
　　業を受けられるなんて、運命に感謝しなければいけないな。見慣れた風景が輝いて
　　見えるよ。
　　（女生徒のノートを見る）ん、わからないの？　わかった、教えてあげる。
　　I was born to meet be with you.　ほら、訳してみてごらん。
　　……まったく、しょうがないな。いいかい、素敵な言葉だよ。
　　「あなたに会いに生まれてきた」……。（先生に）ああっ、すみません、先生！　え
　　え、ちゃんと聞いてますよ。ただ、その、西日が眩しくて……。え？　カーテンな
　　ら閉まってるって？　
　　（女生徒に）やれやれ、参ったな。眩しいのは、君だったか。

♯

　　　　　放課後の体育館

　　　　　昴がバスケットボールをしている
　　　　　スリーポイントを決めて、爽やかな笑顔

昴　やあ、また会ったね。どうやら、君は私の勝利の女神でもあるようだ。君のおかげ
　　で、上手くスリーポイントが決まったよ。（他生徒に）ああ、お疲れ様。またいつで
　　も呼んでくれ。（女生徒に）もしかして、待っててくれたの？　嬉しいなあ。でもご
　　めん、今から部活なんだ。え？　ああ、これは頼まれて参加しただけさ。いわゆる

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