高次元戦士「K」
高次元戦士「K」
「K」 …この世界より高い次元からやってきたらしい戦士
裕子 …一人暮らしの女性。天然。
テーブルと椅子二脚があるダイニングに、携帯電話で話しながら裕子が登場。
裕子 …うん。年末に帰ろうかと思ったんだけど、そんなにお休み取れなかったから、それなら年明けにゆっくり帰ろうと思って。…うん、そりゃあムリすれば帰れるかも知れないけど、帰省ラッシュもすごいから…。お母さん、こっちの帰省ラッシュわかんないでしょ?ホント、すっごいんだから。どこもかしこも帰省よ帰省。もう、あちこちで奇声が聞こえてくるのよ。「ギャアァーーー!」って。…あ、ううん、そうじゃなくて「ギャアァーーー!」ね。あと「グロオォァァーーッ!」とか。「ギイエェェェァーーー!」みたいな…
裕子、ふと携帯を離して辺りを見回す。
裕子 …夜にこんな声出してたらお隣さんに通報されちゃうよ。…うん。とにかくこっちは大丈夫だから。年明けに、ね。ちょっとピザ頼んでるから、このくらいで切るね。じゃあ。
裕子、携帯のキーを押してため息。そこでインターフォンが鳴る。
裕子 はーい。
裕子、玄関(下手)に退場。
入れ替わるようにして、下手から「K」が登場。明らかにおかしい格好。辺りをきょろきょ
ろと見回す。裕子が下手から再登場。「K」を眺める。
裕子 …あのー
振り向く「K」
「K」 君ですか。俺を、呼んだのは。
裕子 えっと、私、ピザ屋さんは呼んだんですけど…
「K」 …
裕子 あの、ピザの、方ですか?
「K」 俺は、ピザではないです。
裕子 あ…もしかして、ご近所の方ですか?すみません。夜に騒いじゃって…
「K」 俺は、ご近所ではないです。
裕子 …
「K」 俺は、この世界より上の次元からやって来た戦士…。高次元戦士「ケァー」です。
裕子 ん?名前…。「かー」さんですか?
「K」 違います。「ケァー」です。
裕子 け…「けぇー」?
「K」 「ケァー」です。
裕子 けぁー。
「K」 「クェー」
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