私を好きなあなたが好き
私を好きなあなたが好き
作 松永恭昭

男1
女1
女2





男1 なぜ彼女を殺したのか? と言われても、はっきりとわかりません。
女2 私の事、キライ?
男1 まあ、いってしまえば、殺したかったからです。これは間違いなく言えます。彼女を殺したいと思ったから、殺しました。
女1 とある地方都市のとある場所のとある時、彼は彼女を殺しました。彼女は彼に殺されました。

男1 お芝居としてのお話です。
女2 私を好きなあなたが好きというタイトルです。
女1 最初のシーンは風俗店。事件の日です。彼はお客としていました。お客さん、お客さん?


女1 お客さん。
男 ああ……。すいません。
女1 寝てた? 
男 あ、……はい。すいません。
女1 大丈夫?
男 あ、はい。
女1 疲れてるの?
男 あ、はい。ちょっと。
女1 そうなんだ。
男 すいません。
女1 仕事忙しいの?
男 ああ、全然。っていうか仕事してないです。
女1 あ、そうなんだー。ごめんね。
男 ああ、全然。自分が悪いし。
女1 どうする? 時間があまってるけど。15分ぐらい。
男 そうですか。
女1 お話でもする?
男 そうですね。
女1 オッケー。
男 話か。
女1 なんでもいいよ。
男 なんでも?
女1 そう。なんでもオッケー。ほら、そういう場所だから。恥ずかしいこともうないじゃない? だから、なんでも、欲望思いのままに。
男 はぁ。
女1 すっごい事でも大丈夫。すっごいのいたよー。ヤクザのお客さんとかね、言えないような仕事してる人とか。安心していうんだよねー。まあ、全然関係ないから平気だけど。私は聞くだけだし。
男 聞くだけ?
女1 うん。そういう仕事。だとおもってる。
男 そっかー。
女1 うんうん。
男 とんでもないこと言うかもだけど。
女1 はいはいー。
男 すいません。
女1 いいから。よしこい!
男 今から、人、殺そうと思ってます。
女1 おー、すごいのでた。え、今から?
男 あ、うん。
女1 マジなやつ?
男 あ、うん。
女1 そうなんだー。
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