山クグリは花魁の喉を切る
山クグリは花魁の喉を切る

フウマ 男 18歳
  主人公。ハチヤのことが好きで山クグリを恨んでいる。
ネゴロ 女 18歳
  ハチヤの友達。フウマのことが好き。
ハチヤ 女 19歳
  山クグリに襲われ、声が出なくなった少女。
ノキザル太夫 女 27歳
  色町一の花魁。
山(やま)クグリ
  喉を切りつけ声を奪う謎の殺人鬼。
タンバ 男 29歳
  女性誌の雑誌編集者。
カムロ 女 14歳
  ノキザルを慕う少女。
トガクシ 男 52歳
  ノキザルの馴染み客。医大の医局長。
イガサキ 男 49歳
  ノキザルの馴染み客。建築会社社長。


●ハチヤが走って登場。何者かから追われている。
 謎の男(山クグリ)が登場。

ハチヤ 「(山クグリを睨みつけて)あなたのこと、聞いたことがある・・・
     山クグリでしょ!!たくさんの女の子を殺したってっ!!」

 山クグリが手にした刃物でハチヤの首を切りつける。
 倒れるハチヤ。山クグリが立ち去る。
 ネゴロが登場。

ネゴロ 「(ハチヤに駆け寄って)ハチっ!?ハチ!!ハチ!!」

 フウマが登場

フウマ 「ハチヤ・・・嘘、だろ・・・」

 暗転

●学校の中庭。
 ハチヤが1人立ちながら空を見上げている。
 ハチヤの後ろからフウマが登場。

フウマ 「・・・ハチヤ」

ハチヤ 「(振り返る)」

フウマ 「授業、始まってんぞ・・・サボりか?」

ハチヤ 「(目を反らす)」

フウマ 「まっ、別にいいけどさ・・・俺もサボりだし。隣、いいか?」

ハチヤ 「(頷く)」

フウマ 「(ハチヤの足下に腰掛けて)サンキュー。
     ・・・なぁ、ハチヤ。もう、1年経つんだよな。お前がこうなってから」

ハチヤ 「(ゆっくり頷く)」
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