クリスマスにはふしぎな帽子をさがして
■タイトル「クリスマスにはふしぎな帽子をさがして」(作:つむぎ日向)
■登場人物(キャスト)
・【 ニコラ 】・・・サンタ見習いの女の子。
・【 翔太 】・・・・本名「桐山 翔太朗」。「菅田(すがた)リサーチ」社員(探偵)。
・【 みどり 】・・・本名「畠中みどり」。翔太の上司・同期。
・【 ルドルフ 】・・・人間の姿をしているが、トナカイ。
・【 真里菜 】・・・本名「山内真里菜」。翔太の依頼人。
・【 健二 】・・・・本名「山内健二」。真里菜の夫。
・【 街の通行人 】・・・数人
■本編
●プロローグ
開幕。
軽快なクリスマスソングが流れている。
暗闇の中に明かりが灯り、サンタ服を着たニコラが一人、中央に立っている。
ニコラ 「12月25日はクリスマス。その前の晩はクリスマス・イヴ。街は華やかな光に包まれ、大人も子供も、皆が笑顔になる日。……え?そんなことは誰でも知ってるって?じゃあ、これは知ってますか?……サンタクロースのこと。もちろん、サンタと言っても、この時季にデパートで風船を配ってるおじさんじゃなくて、本物のサンタのことです。あっ、今「サンタなんているわけない」って思った人がいますね。そんな人には、プレゼントをあげませんよ。……って、別にわたしは、まだサンタじゃないんですけどね。でも、サンタクロースは本当にいるんです。
それじゃあ、信じてない人のために、とっておきの話を一つしましょう。これから話すのは、わたしの、大切な「夢」の話……」
暗転。
OP
●1
サンタの鈴の音が去って行く。
明転。(サンタ宅)
部屋の中に、サンタを見送るニコラ(上手)と、遊んでいるルドルフ(下手)。
ニコラ 「行ってらっしゃーい!……はぁ、今年も留守番か……」
ルドルフ「仕方ないだろ、お前はまだ見習いなんだから。クリスマスにプレゼントを配って歩くのは、あのじいさんの仕事」
ニコラ 「確かにそうなんだけど……せめて付いて行くぐらいさぁ……」
ルドルフ「百年早い。それに、お前のせいで俺まで毎年留守番だよ。まったく」
ニコラ 「ごめんなさい」
ルドルフ「まあ、いいよ。おかげで今年のクリスマスもゲーム三昧だ」
落ち込んでいるニコラを気にせず、ゲームを始めるルドルフ。
ゲーム画面を見ながらニコラに話しかける。
ルドルフ「で、今年はなんでダメだって?」
ニコラ 「去年と同じ」
ルドルフ「「まだ君は、サンタクロースにとって大事なモノが分かってない」、か?」
ニコラ 「そう。去年の前の年も、その前の年も、もう一つ前の年もそう言ってた」
ルドルフ「そりゃあれだ。何も思いつかないから、とりあえずそう言ってるだけだろ」
ニコラ 「そんなてきとうな人じゃないでしょ!」
ルドルフ「どうだかな〜?俺を連れてきたのだって、ただの気まぐれみたいな所あったしな〜」
ニコラ 「気まぐれ?」
ルドルフ「そう。「君の真っ赤な鼻が夜道を照らしてくれる」とかなんとか言ってたけど、俺の鼻はヘッドライトじゃねぇっての」
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