鬼ごっこ、人ごっこ。 -60分ver.-
『鬼ごっこ、人ごっこ。』
登場人物:由希・・・女。主人公の女子高生。
昴・・・・男。鬼。
響・・・・男。鬼。腹ペコ。(キャストは女性でも可)
兄・・・・男。テンションが高い大学生。
女・・・・女。先生。研究者。
場面:場面は由希の部屋、公園の二つで構成される。
舞台前を外の道として使う場面もある。
【第一幕】
【シーン1】
場面は由希の部屋。
部屋には男が二人。
一人は虚ろな目をした少年。部屋の中央でクッションを抱えている。
一人は目つきの鋭い青年。部屋の隅で落ち着かない様子のまま中空を仰ぐ。イライラとしながら自らを押さえつけているかのように見える。
かちかちと時計が鳴る。鳴り響く。
だんだんと音は大きくなっていく。
と、ガチャリと玄関のドアが開く音。
二人はその音に反応する。
部屋の扉が開く。
私服姿の由希が通学鞄を持って登場。
由 「ただいま」
疲れ半分で言うや否や、響が飛びかかる。
響 「ゆきー」
抱きつくすんでのところで叩き落される。
由 「うるさい」
次は両手を広げた昴が迫ってくる。
昴 「ユキー」
が、やはり少女の拳にふっとばされる。
由 「ウザイ」
事も無げに男二人を地に伏した後、鞄を床に置く。
響 「ねえゆき、おみやげは?」
由 「ない」
響 「なんで」
由 「なんであたしがあんたにおみやげ買って来なきゃいけないのよ」
響 「いいじゃんケチ」
昴 「ねえユキ、ただいまのチューは?」
由 「ない」
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