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宮ヶ崎界隈

　　　　　　　　宮ヶ崎界隈
御肉　大好

登場人物
安藤　洋介（カフェルアークのマスターの兄）３９歳
安藤　浩二（カフェルアークのマスター）２８歳
桂　誠一（元電機工業社員）４０歳
柴田　裕治（元電機工業社員）３５歳
三好　えみ子（元電機工業社員）３３歳

　ルアーク店内。何故かエレキギターがある。カウンター内に、洋介と浩二。が、浩二の姿しか見えない。
　えみ子がいる。

　たった一歩だけ　踏み出してみる　ラララ・・・
　ちょっぴり勇気
　たった一歩だけ　近づくだけで　ラララ・・・
　涙あふれる・・・

　えみ子、くせのように駄洒落を言う。

えみ子　　浩ちゃん、紅茶ちょうだい。
浩二　　　了解しました。（カップをさげに来る）
えみ子　　ねぇ浩ちゃん、コピーロボット、知ってる？
浩二　　　は？
えみ子　　パーマンの。
浩二　　　知ってますけど、それが？
えみ子　　良いと思わない？
浩二　　　そりゃ、あったら、便利ですけど。
えみ子　　だよね。
浩二　　　いきなり、どうしたんです？
えみ子　　いちごたい焼き食べたくって。
浩二　　　いちごたい焼き？
えみ子　　そう。横浜の扇屋ってお店にあるんだけど。
浩二　　　へえ。
えみ子　　美味しくてさ。
浩二　　　食べに行けば良いんじゃないっすか？
えみ子　パート、忙しくてさ。
浩二　　　ネットとか、取り寄せとかは？
えみ子　　やってないの。
浩二　　　じゃあ、買ってきてもらうとか。
えみ子　　横浜に友達とかいないもん。
浩二　　　それで、コピーロボット。
えみ子　　そう。
浩二　　　コピーに買ってきてもらうんですか？
えみ子　　まさか。私が買いに行く。
浩二　　　じゃぁ、コピーは？
えみ子　　パートに行ってもらう。
浩二　　　そりゃ、コピー怒りますって。
えみ子　　やっぱ？　だよね。
浩二　　　もっと、有効に使いましょうよ。
えみ子　　これ以上、有効なの思いつかない。

えみ子　　待っててくれるかな・・・
　　　　ねぇ浩ちゃん、私、押しとか弱い方だと思う？

浩二　　　は？
えみ子　　一歩踏み出せないタイプなのかな？
浩二　　　どうですかね・・・えみちゃんは、そう見えないけど。
えみ子　　だよね。
浩二　　　あ、でも、恋愛とかだと、そういうタイプかも。（奥へ去る）

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