シーリング707
タイトル『シーリング707』
高凪なおと
【登場人物】
轟一郎(41・男)…パイロット
山口隆之(26・男)…新米パイロット
村上梓(28・女)…CA
曽我(37・男)…整備士
戸来(33・男)…客
【本文】
○ シーリング707・コックピット
旅客機のコックピット内。上手が機首で下手が客室という向き。
パイロット用のシートが上手側に2脚並んである。
その前には様々な計器やスイッチが並ぶ操縦盤と操縦桿、そしてエンジン出力を操作するレバーが
4つ付属している。
その他、様々な機械があちこちにちりばめられている。
下手側に客室に通じるドア。
操縦盤の前方にはフロントガラスがあり、外の景色が見える。
また機体の側面にも小さな窓がある。
窓の外は青空が広がっており、上空である事が分かる。
下手側の壁には空調ダクトにつながる格子状の通気口がある。人が一人通れる程度の大きさだ。
壁には非常用の懐中電灯。
パイロットシートに座っている轟一郎(41)と山口隆之(26)。
主に操縦しているのは山口だ。
轟は腕を頭の後ろに組んで指示している。
山口はあたふたしながら轟の指示に従い操作している。
機体は上昇中で、2人は重力の影響で体を後方に引っぱられるように傾いている。
轟「チェック、クライム、1ポイント004」
山口「えと、チェック、1ポイント004」
轟「030、1000」
山口「030……」
轟「1000」
山口「1000」
轟「アフターテイクオフチェック、030、2848、78」
山口「030、2848、87」
轟「ノー! 030、2848、(強調して)78!」
山口「030、2848、78」
轟「フライング、アット、500ノット」
山口「フライング、アット、500ノット!」
轟「20000フィート、ウィンド30ノットフロムサウス」
山口「トゥ、20000フィート。えと、えと……」
轟「落ち着け」
山口「は、はい。ウィンド30ノットフロムサウス」
轟「アバブ30000フィート」
山口「アバブ30000フィート」
轟「機体を戻せ」
山口「はい」
轟「ゆっくりな」
山口「はい」
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