ヒーローショー
-幕開前-
『ヒーローショー 〜幕開前〜』

A…ヒーロー役、バイト
B…怪人役、ベテラン
声…司会のお姉さん






























  ―ヒーローショーの控え
  ―(野外、雑踏もきこえる)
  ―A、ヒーローの着ぐるみを着てマスクを外している状態。
  ―A、緊張しながらパイプいすに座ったり立ったり、とにかく落ち着かない。
  ―そこにB、怪人の着ぐるみ(マスクなし)で入ってくる。
  ―手には缶コーヒー(冷た〜い)を持っている。
  ―気落ちしているAの首筋に缶をあてるB。

A ひゃあっ!びっくりした。何するんですか!
B いや、オマエの中で起こっている内戦がこう着状態にあるようだったので、カンフル剤を、と思ってな。ホイ(コーヒー渡す)
A (受け取って)あ、どうも。
B こういうのは初めてか?
A 昔よくやられましたよ、部活の仲間とかに。アレ弱いんですよボク。
B いや、イタズラの話じゃねェよ。仕事だ仕事(自分の着ぐるみを指す)
A え、ああ。はい、高校の頃は演劇部だったんですが、もっぱら裏方で、こうやって人前に出て演技するのは初めてなんで、・・・ああ・・・。
B 人前つったって顔は隠すし、声も別なところからだし、ビビるほどのもんでもないだろうに・・・。
A まぁ、そうなんですけども、もし失敗したらとか考えると・・・ああ、緊張してきた・・・。
B そんなんでよくこの仕事、応募してきたなぁ。
A だって裏方募集って書いてあったから・・・。
B うん。

  ―間

B それで?
A いや、裏方じゃないじゃないですか。
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