落語劇「地獄八景亡者戯もどき」(脚色版)
ー原発のゴミ処分場を地獄に?ー
漫才リレーによる落語劇「地獄八景亡者戯もどき」(脚色版)
−原発のゴミ処分場を地獄に?−
2014.2.18(初稿)
2024.6.22(改稿)
【はじめに】
この劇は、もともとは落語脚本「地獄八景亡者戯もどき」を脚色したものであり、二人、あるいは三人の会話を
柱にしているので、上演に際しては五組の漫才リレーといった演出を考えています。
漫才においては、脱線しなければ、アドリブおおいにけっこうです。
あまり例をみない試みですが、そういった作者の意図を念頭に読んでいただけたらと思います。
また、落語という想像の世界のできごとなので、舞台セットは使いません。
かわりに絵看板を手に人垣で背景を表す黒子の生徒たちを
登場させるなどの工夫が必要だと思います。
【登場人物】
はじまり ナレーター
一場 漫才コンビ『大臣室』 (大臣、秘書)
二場 漫才コンビ『三途の川』 (喜六a、清八a)+渡し守、舟客(数人)
三場 漫才コンビ『閻魔の庁』 (喜六b、清八b)+赤鬼、青鬼、閻魔大王、亡者たち
四場 漫才トリオ『地獄の亡者』(喜六c、清八c、青鬼c)+地獄の亡者たち
五場 漫才トリオ『最終処分場』(喜六d、清八d、青鬼d)
合計 25人〜30人位
【はじまり】
ナレーター 「3.11の原発事故が起きて、原発ってこんなに怖いモンかと思いましたが、
そもそもウラニュウムたらいうもので発電をするちゅうことに、いろんなむずかしさが
あるみたいで、その最たるものが、出てくる廃棄物の処分場がない、ということらしいですな。
最近になって、例の元首相も元々首相も、それが理由で原発ゼロを言うたはりますが、誰が考えてもそうなります。
最終処分場をどこにするか、もっていきどころがない。
どえらい金をつけて、立候補地を募集しましたが、一つもありませんでした。
もう、こうなったら思い切って、地獄にでも持っていくしかない、
そんなとんでもないことを考えた官僚がいたはったんですな。
ここからが、もし、という仮定の話になります。もしほんまに地獄に最終処分場を持っていったら、
どういうことになるのか。
そんな想定を劇にしてみました。
観て笑って、ちょっと考えていただけたら幸いです。
では、はじまりはじまりぃ」
【落語の出囃子】
♪♪♪♪♪(出囃子が消える)
【一場】
(大臣室)
(漫才コンビ『大臣室』の二人が登場)
大臣 「漫才コンビ『大臣室』の大臣でーす。よろしくお願いします」
秘書 「秘書でーす。よろしくお願いします」(と挨拶して、舞台奥に退場する)
(この場面は、狂言風にはじまります)
大臣 「えー、私は、この国の原発担当の大臣であります。
フクシマの事故があってから、原発のゴミをどうするかというのが、
大問題になっておりますが、むずかしいですな。まず処分場を引き受けてくれる市町村が
ありませんな。
そのことについて、近ごろ頭を悩ませております。秘書に調べさせておりますが、
いっこうに返答がない。
どうなっているのか、聞いてみるとするか。ええい、秘書や、あるかやい」
秘書 「ハアー」
大臣 「おるか。おるか」
秘書 「ハアー」
大臣 「いたか」
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