男子の事情
        「男子の事情」

あゆむ = 明るい

はじめ = 真面目

まなぶ = クール


    シーン 1


A001「とある日に起きた、とある出来事。
    何気ない会話から始まる、いつもと変わらない退屈で平凡な一日」

A002「そして、今日もまた、それが始まる」

A003「あ〜腹減った〜〜」
H004「出たよ。あゆむの腹減った」
A005「生きているなら腹は減る。腹が減ったら飯を食う。これは生あるもの全ての定めだ」
H006「まったく…そう思うなら、たまには食事の支度くらいしたらどう?」
A007「はじめ…お前は食物が残飯になっていく様を、ただただ見つめていたいと思うか?」
H008「もったいないお話ですね」
A009「だろう?だったら、さっさと飯を出せ」
H010「本当にもう……」
A011「その代わりと言っちゃなんだが、お前が食事の支度をしている間中、お前の耳元で永久に囁き続けてやるよ」
H012「切らなくていいお肉を切ってしまいそうなので結構です」
A013「ですかねー」
H014「毎日男の手料理で、切ないとか寂しいとか思わないの?」
A015「うまければ文句は無い」
H016「でも、料理が上手な女の子が作ってくれたものだったら?」
A017「心の奥底から、神に感謝します」
H018「そう思うんだったら、彼女でも見つけたらどう?」
A019「ん〜…とりあえずめぼしはつけてあるんだけどなぁ…」
H020「へぇ…?どんな子?」
A021「あぁ、なんつーか、普段の口調はきついんだけど、言葉の裏側に見え隠れする優しさっつーか、
    自分を表現するのは不器用なんだけど、相手を思いやるのが本当に上手な…そんな感じの子だ」
H022「やけに具体的だね?」
A023「ここ三ヶ月、入念にリサーチした結果だからな!」
H024「…それはまた大層な妄想で」
A025「ばっか、リアルの話に決まってるだろ?」
H026「へぇ〜」
A027「信じてないな?」
H028「当然」
A029「そう言うお前は、気になる子とかいねーの?」
H030「まぁ…いないことはないけど……」
A031「ほぅ?」
H032「気になるの?」
A033「根暗で口下手、フツメンで運動音痴、勉強は普通だが、
    料理と裁縫だけはやたらと天才的なお前の好みが気になる」
H034「全く持って、褒められてる気がしないんだけど?」
A035「天才とは、凡人には理解されないものなのだよ」
H036「さようで…」
A037「さっさと話せよ」
H038「じゃあ、言うけど…」
M039「おはー」
A040「おーまなぶ。ちょうどいいところに」
M041「なに〜?」
A042「はじめが今から大胆告白をするぞ」
M043「ほぉ?それは面白そうだ」
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