「性(さが)」
外山タカキ


□登場人物



看護師

*台本中の『 』は自由にセリフを割り振ってください。もちろん、女、子、男、看護師役の人が兼ねて行ってもかまいません。



□あらすじ
 女に新しい生命が生まれた。この子はレイプによって生まれた子。しかもこの子はレイプした男に似ていた。
 女はこの子を愛せない。むしろ、この子の顔を見ているとあの時のトラウマがよみがえってくる。
 一方、この子は自分には父親がいないことに疑問を持つ。
 この子が父親のことを話すたびにレイプした男のことを思い出す。表面上では愛するが、心の奥底では拒否をする女。
 真の愛情を与えられないこの子は愛情を性欲によって求める。
 女をレイプする子。
 トラウマがよみがえる。
 自分の子を殺す女。性。これってだれのせい?


1.
『性(さが)』
『性(せい)』
女「小さな生まれると書いて性(せい)と読む」
『性(せい)』
『小さな命が生まれた』
子「オギャーオギャー」
女「性別は?」
『性別』
『男性?』
『女性?』
看護師「おめでとう。元気な男の子よ」
子「オギャーオギャー」
『性別』
『男性』
看護師「ほら。見て。かわいい男の子よ」
女「目の前にあった生(せい)にはあの忌々しきものがついていた」
子「オギャーオギャー」
女の心の声『うるさい!切り裂くような声を止めて!』
看護師「あらあら。元気に泣いて。将来やんちゃな子に育つのかしら?」
『性格』
『泣き虫?』
『やんちゃ』
子「オギャーオギャー」
看護師「素敵な顔立ち。将来イケメンに育つのかしらねー?」
『性質』
『イケメン』
女「目の前の顔はあいつに似ている」
看護師「よかったわねー」
子「オギャーオギャー」
女「うっ・・・うわああああああああああ(号泣)」
子「オギャーオギャー」

 赤ん坊の泣き声と女の号泣が響き渡る。

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