怪談教室 三年〇組
怪談教室 三年〇組     作:小林 瑛喜(コバヤシ ヒデキ)



   【登場人物】


♂ 校長      :スーツの中にベスト・サンダル・白髪。

♂ 花子      :七不思議の1『トイレの花子さん』。
           設定上は女。白いシャツに赤いスカート・サスペンダー・上履き・おかっぱ頭。スネ毛とヒゲがある。

♂ 二宮      :七不思議の2『校庭の二宮金次郎像』。
           和服・草履・背中に薪・手には本・金髪ロン毛・アクセサリー。

♂ 人体模型    :七不思議の3『生きている人体模型』。
           肌色のピッチリした肌着に内臓や筋肉の絵が描いてある。顔半分に筋肉や歯を表すメイク。

♂ ベートーベン  :七不思議の4『ベートーベンの肖像画』。
           タキシード・スカーフ・指揮棒・白髪のベートーベンヘアー。肩から斜めに額縁の枠を掛けている。

♂ 十三階段    :七不思議の5『十三階段』の十三段目。
           首から下は黒の全身タイツ。頭は一段分の階段を模した横長の直方体の被り物。

♂ バスケットボール:七不思議の6『ひとりでに動くバスケットボール』。
           全身タイツで片手にバスケットボール。※便宜上、役者が演じている部分を【本体】と表記する。

♂ 水泳部     :七不思議の7『水泳部の幽霊部員』。
           中学校指定の水泳パンツ・水泳帽・ゴーグル。ゴーグルで目は隠れている。設定上常に体がちょっと濡れている。

♂ 転校生     :8つ目の怪談『三十一人目の生徒』。
           ごく普通の学ランに普通の(背負うタイプの)通学カバン。これといって特徴の無い髪形。



   【舞台設定】

    ある中学校の使われていない教室。
    築四十年近い校舎であるため、所々にヒビが入っていたり、汚れていたりとガタがきている。
    現在では物置のような扱いになっているが、元々通常の学級用であった為、授業に必要となるものは大抵揃っている。
    教室の前方には黒板と教壇・棚などがある。





   【オープニング:数年前】

    学校のチャイムが鳴り、教室に夕日が差し込む
    ゆっくりと日が暮れ、辺りが暗くなる
    校長が出欠簿を開き、物語を読み上げるように語り出す

    音響 お化けが出る時の音楽(「ヒュ〜ドロドロ」)が流れる


校長 「とある古い中学校に、今では使われていない教室がありました。
    元々は普通の学級として使われていたのですが、生徒数が減ることで物置として使われるようになっていきました。
    各学年の階に一つずつあるその教室は、生徒たちの間で、それぞれ『〇組』と呼ばれるようになりました。
    そして校舎の三階にある『三年〇組』には…、夜な夜な奇妙な姿の生徒たちが集まるようになりました…。」

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