悪魔と私の物語
☆照明C.I 悪魔が立っている
悪魔 フハハハハ。俺は悪魔だ。俺は人間と取引をする。何と何を取引するか?俺は人間の願いを3つ叶えてやる。その代り、俺はその人間の魂を頂く。なに?願い事を2つ叶えたらそれでおしまいにされるんじゃないかって?フハハハハ。人間とは欲深い生き物。自分の命が奪われると分かっていても3つめの願い事を言ってしまうものさ。と、こんな独り言を言ってたら、また向こうから鴨がやってきたわ
☆女が出てくる
悪魔 フハハハハ、俺は悪魔だ。さあ、お前の望みを言え。何でも叶えてやろう
女 いえ、結構です(行こうとする)
悪魔 軽くスルーすんなよ
女 ナンパですか
悪魔 違う
女 (悪魔を見て)ハロウィンにはまだ早いと思いますよ
悪魔 違う。これはコスプレじゃない。俺が人間に見えるか
女 人間というより、トカゲに見えます
悪魔 トカゲじゃない!俺は悪魔だ
女 ・・・ふーん
悪魔 興味持てよ。お前、目の前に悪魔が現れたんだぞ。もっと違うリアクションあるだろ
女 なに?面倒くさい。芸能人気取り?
悪魔 そうじゃなくて。あぁ、もう面倒くさいのはこっちだよ
女 帰っていいですか?
悪魔 待て待て待て待て。いまからお前の願いをなんでも叶えてやろうって言ってるんだ。悪い話じゃないだろう
女 願い?
悪魔 そうだ。3つだけお前の願いをなんでも叶えてやる
女 そういう詐欺ですね
悪魔 詐欺じゃないって
女 うますぎる話じゃないですか
悪魔 じゃあ、わかった。いまから1つ願いごとを言ってみろよ。叶えてやるから
女 だったら、もう私を帰らせてください
悪魔 ちょっと待ってよ。もう少しさ、付き合ってくれてもいいんじゃないの?
女 だって
悪魔 お願い。1つだけ。1つだけでいいから願いを叶えさせて
女 うーん
悪魔 分かった。映画のチケットもつけるから
女 じゃあ、まあ1つだけ
悪魔 ありがとうございまーす・・・フハハハ、バカな人間だ。1つ願いを叶えてしまえばこっちのもの。欲望は限りなく続き、すぐに3つ目の願いを言わずにはいられなくなるのだ
女 聞こえてますけど
悪魔 あ、聞こえてた。ごめんね。これ、?嘘。冗談
女 映画のチケットちょうだい
悪魔 フハハハハ。そんな願い事でいいのか。なんて欲の浅い人間だ。よかろう、叶えてやろう
女 違うでしょ。さっきくれるって言ったじゃない
悪魔 え?そうだったっけ
女 なに?あなた、記憶力ゼロ?3歩歩いたら忘れるニワトリ頭?ちょっと前に言ったことだよね。どうして忘れられるの?そこんところ教えてほしいわ。あ、無理よね。だってあなた、頭弱すぎるんだから
悪魔 そこまで言うか。お前、悪魔か
女 ほら、くれるの?くれないの?
悪魔 やるよ(くしゃくしゃになったチケットを渡す)
女 なに、クシャクシャじゃない
悪魔 チケットには違いないだろ。ほら、渡したから願いを言え
女 じゃあ、願い事が3つから10個に増えますように
悪魔 それはだめだ。
女 どうして?
悪魔 ズルいからだ
女 あなただって、どうせズルいことばっかやって生きてきたんでしょ
悪魔 ダメだ。別の願い事にしろ
女 じゃあ、平和な世界になりますように
悪魔 スケールがでかすぎる
女 無理?
悪魔 俺一人の力では無理だ。というより平和な世界にしたくない
女 じゃあ、幸せになれますように
悪魔 アバウトすぎる
女 なんなの?あれはダメ、これもダメ。あなた初めに言ったはずよ。願い事をなんでも叶えてやろう。何でも叶えてやろう。何でも、何でもって
1/3
面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種
Windows
Macintosh
E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。