マコの夏休み
Ver.3
「マコの夏休み」 水原 純
登場人物
早川真湖(マコ) 高校2年 女
マサト 高校2年 男 マコの幼馴染
死神
マコの母
怜奈 高校2年 マコのクラスメイト 女
ケンジ 高校2年 男 マコのクラスメイト
山田さん マコの小学校の同級生 女
ヤンキー
ディレクター風の男
楽器屋の店員の男
マコの父
現場レポーターの男
警官A
警官B
〇プロローグ
スポットのみ
マコ 舞台中央に立つ 制服姿
マコ「私の名前は早川真湖、高校2年生。みんなはマコって呼んでる」
横を向き、二、三歩歩きつつ
マコ「今は夏休みだけど、進路はまだ決めてない。毎日がなんとなく過ぎていってるってかんじ。部活は漫研にいたんだけど、最近はぜんぜん行ってない。友達は仲のいい子が数人かな。まあ平凡な高校生ってかんじ。……うちね、母子家庭なの。一人っ子。お父さんは私が小学校3年の時に出て行っちゃった。なんか母ひとり娘ひとりってやだね……お母さん口うるさいし。最近あまり話してない……。なんか最近なんにもやる気しないな……」
暗転
〇自宅2階のマコの部屋
普段着で上手のベッドに寝そべってスマホをいじっているマコ
そこへそおっと下手から死神が入って来て、黙って立っている
十代の女の子に見える。黒地のメイド服のような服を着ている
マコ、死神に気付き、びっくりして身構える
マコ「ちょっとお!あなた、だれ? いったい何!?」
死神「私は死神」
マコ「……しにがみ? 死神? 何言ってるんですか」
死神「……驚いた?」
マコ「……あの、誰だか知らないけど、勝手に人の部屋あがらないでください!いったい誰なんですか!?」
死神「だから、死神だって言ったでしょ」
マコ「……悪い冗談やめてください。警察呼びますよ」
死神「呼んだっていいけど私はあなたにしか見えないわ」
マコ「早く帰ってください。ほんとに警察呼びますよ」
といってスマホを手に取る
死神「これだからいやなんだよな。全く、人間っていうのはどうしてこう疑り深いのかな。せっかく来てあげたのに」
マコ「とにかく出てってください!」
死神「あなたね、私は大事な情報を伝えに来てあげたのよ。聞かなくていいの?」
マコ「……大事な情報ってなによ」
死神「あなたが明後日死ぬってこと」
マコ「……えっ? ……明後日? しぬ? 冗談言わないでよ。私こんなに元気だし、病気でもないし、あっ、事故に合うとかいうの? 縁起でもない! やめてください」
死神無言
マコ「あの、とにかく帰ってください。事故なんて合わないし、私気をつけてますから」
死神「私病気でとも事故でとも言ってないですよ」
マコの母「(口うるさい感じで)マコー! ごはんよー。早く降りてらっしゃい。もうすぐ7時よ」
マコ「はーい」(声は大きく、でもいやそうに、下手の階下へ向かって)
死神「いいですか。あなたには今日を入れて三日の命しかないんですよ」
マコ「縁起でもないこと言わないでください。すごく不愉快です」
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