ビー玉たちの夜

■タイトル「ビー玉たちの夜」  作者:つむぎ日向    


■登場人物
 全六人(氏名なし。男女問わず。(性別の変更可。それによる口調の変更可))

 役名 : 職業       ・呼び名

 男1 : サラリーマン   ・ホワイト
 女1 : フリーター    ・バイト
 男2 : 医者       ・ドクター
 女2 : 教師       ・ティーチャー
 女3 : 製造業      ・ショクニン
 女4 : 自営業(清掃業) ・クリーン



■あらすじ
 ある日の夜。彼らはいつも通りに仕事を終えてエレベーターに乗った。
 だが、その日はいつもと違った。エレベーターが止まったのだ。
 突然止まったエレベーターの中で、彼らはそれぞれの仕事の愚痴をこぼし始めた……。



■本編


      季節は冬。時間は夜の十時過ぎ。

(序)
      開幕。
      上手に明かり。
      スーツ姿の男(ホワイト)が一人照らされている。
      客席を見回すように話し出す。

ホワイト 「突然ですが皆さん、この一週間「精一杯仕事をした」という人はいますか?あるいは、「素敵な仕事をした」と、胸を張れる人は?
      (少し間を置き)そう思える人がいるなら、それは素晴らしいことだと思います。
      残念ながら俺は、毎日流れ作業でもするように仕事をして、そこに楽しみもやり応えもなく過ごしていました。この日も……」

      ホワイトの後ろに明かりが点く。
      BGMフェードイン。

ホワイト 「俺はいつものように残業を片付けてエレベーターを待っていました。外は真っ暗。疲れた。やっと帰れる。そう思いながら。
      今思えば、その時に二番のエレベーターが先に来たのは、何かの運命だったのかもしれません。
      あ、先に言っておきますが、これから起こる事には、物語のような面白さなんてありませんよ。それでも、俺にとっては大事な夜になりました。だから、皆さんにとっても、きっと……」

      BGMが上がる。
      暗転。

      明転。
      OP。
      登場人物たちが出てき、音楽をバックにそれぞれ大変そうに仕事をしている。
      そして、それぞれ仕事を終えて舞台中央のエレベーターに乗って行く。
      順番は、ホワイト → バイト&ショクニン → ドクター → ティーチャー。
      クリーン以外の全員が乗った所で、エレベーター内のみに明かり。
      BGMフェードアウト。


(一)
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