嘲う門には不幸来たる(汗)
『嘲う門には不幸来たる(汗)』
(わらうかどにはふこうきたるかっこあせ)
作:武庫次元
登場人物
カメラマンの女 ・・・・・・・ 竹元 晴子 (28)
進学校に通う女子高生 ・・・・・・木谷 千尋 (18)
ブライダル会社の女 ・・・・・・沢村 ゆかり (31)
いかにもセレブなお嬢様 ・・・・・・神田 愛 (22)
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舞台は関西のとある山奥にあるらしき古びた温泉旅館「たけもと」。
舞台上手奥には黒電話を置いたカウンターと扉、舞台下手にくたびれたソファーセットが
ある。
カウンターの中には予定がびっしり書かれたホワイトボードがあり、どうやらここがこの
旅館のロビーらしい。
ソファーには一人の女性(晴子)が、明らかに暇そうな空気を醸し出してカメラのレンズを
磨きながら雑誌を読んでいる。
晴子 「えーと、今月の双子座の運命は・・・蟹座よりはちょっとまし。獅子座の3倍
注意が必要・・・・ん?微妙〜。相対評価て。お!今月の運勢は人生最高!おっ
しゃー!何なに?今月のキーワードは、二度あることは三度ある。なるほど。
(雑誌を閉じて表紙を見る)って、これ去年のやん!」
そこへ突然電話の音。
晴子 「!びっくりした!・・・もしもし。へ?もしもーし!ちょっと聞き取りにくい
んですけど!え?警察!ほんものの警察??(笑)ここ110番やありませんよ
ー!」
晴子、電話を切る。
晴子 「あ(つい電話を見る)」
慌てて受話器を取るが、もちろん切れている。諦めようと思った所に、再び電話の音。
晴子 「はい!すいません!今電話の上にいたずら天使が舞い降りて。・・・あ、おば
ちゃん?どこにいるん。もう待ちくたびれたよー!え、・・・沖縄ぁ!?今日私
来るって言っといたやん。忘れてた?ちょっとーーーー。いや、そりゃカギはい
つもの下駄箱の中にあったけど。おばちゃん、あれいくら何でも無防備だと思う
よ?・・・・・・・好きに使っていいって、身ひとつでおいでって言うから、お
言葉に甘えてハンドバッグひとつで来ちゃったよ!夕御飯は?あるもの何でも食
べていいの?ちょっ、お客さん来たらどうするん!・・・・あ、そうなんや。分
かった。いつ帰るん?・・・・(ため息)はーい。じゃあね」
晴子、電話を切る。
振り返ると、カウンター壁のホワイトボードに予約がキャンセルされた旨の書き込みがあ
る。晴子、それを読む。
晴子 「なるほど。・・・・・・んじゃ、温泉でも入ってのんびりすっか!」
と、そこへ2人目の女(千尋)がやって来る。ボストンバッグを持って、いかにも旅行に来
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