出づらい神〜おわり
6.出づらい神〜おわり
神が座っていて、ユニコーンとペガサスがいる。
ユニ「いよいよ二千年ですね」
神 「…うん」
ペガ「人間界は栄えていますね」
ユニ「おい、その言い方だとこっちが栄えていないみたいじゃないか」
ペガ「実際に栄えていないだろう。今はもう誰もいない、残ったのはここの三人だけじゃないか」
ユニ「そ、それは仕方ない。ここまで人間に執着しているのは私たちくらいのものだ」
ペガ「長いこと時間がたちすぎて、ペガサスなのにペガサスの要素なくなっちゃったもの。もう馬ですらないからね」
神 「よし、もう行くか!」
ペガ「え?行くんですか?」
神 「ちょっとやめてよう、そうやって改めて聞き返すの。揺らぐじゃない?」
ユニ「すみません。行くとなったら、すぐ行きましょう。ほら行きましょう」
神 「いやあ、もう揺らいできてるね。プイッてしちゃうね」
ペガ「ほら、そう言わずに二千年という節目なのですから大丈夫ですよ。人間も私たちの存在を認めてくれますよ」
神 「プイッ」
ユニ「…」
ユニコーン、ペガサスニ耳打ち。
ペガ「神様の馬鹿」
神 「プイッ」
ペガ「アホ」
神 「プイッ」
神は二回そっぽを向いたので、顔がこちら側になってしまう。
神 「ああ、こっち向いちゃった」
ユニ「いやあ、作戦勝ちですね」
ペガ「馬鹿」
神 「馬に馬鹿って言われたくないわ」
ケンタウロス現れる。
ケン「もう人間界には行けないよ。あきらめな」
ペガ「ださいな、お前」
ケン「な、なんだよ。これが神話の中のあるべき姿だろう」
ペガ「まだ四足歩行なんて、古いぞケンタウロス」
ケン「俺には両の手があるわッ」
ユニ「六足なんて、虫かよ!っていうのは置いといて」
ケン「いやいや、置いておけないぞ、それ」
神 「また馬現れたよ」
ユニ「何しに来たんだ?今から私たちは下に降りるんだ、邪魔しないでくれよ」
ケン「だから無理だっての。今までだってそうだったろう、人間はもう俺たち神話を本の中以外では信じてくれないよ」
ユニ「わざわざそんなことを言いにきたのか。ご苦労なことだ」
ケン「…まあ、そんなことはどうだっていいか。最近成仏をして来た人間がいるんだが、何の間違いか神話組の方に来ちゃったから、天国に戻してもらおうと」
神 「ああ、そんなのは後々。二千年問題だぞ。こうなりゃ出ていくしかないでしょう」
ケン「二千年問題を知ってるのか?」
神 「知るか」
ペガ「さ、あんな馬ほっといて行きましょうか」
ケン「オイ、お前も馬だからな、忘れるなよ」
神、ユニコーン、ペガサスはハケる。
夢の人が現れる。
夢 「あの、もういいですか。色々と騒がしかったのですが」
ケン「あ、すまん。あいつら人間のところ行っちゃった」
夢 「ええ?その人神様なんですよね。人間のところにってまたどうして」
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