サークル棟自治会の攻防
〜試合に勝って、勝負に負けて〜
サークル棟自治会の攻防
【登場人物】
(サークル棟自治会)
松永:松永ユウキ。大学3年生。会長代理。イヤイヤ仕事をやっているが、
なかなか頭がキレる男。朴念仁に見えて、実は浜崎のことを大切にしてる。
浜崎と付き合ってることは周りには言っていない。
出会って二年、付き合い始めて三カ月くらい。
浜崎:浜崎ミナミ。大学3年生。明るい性格だが、気が弱く、周りに流されるタイプ。
乙女な女子。感情が高ぶるとよく泣く。松永と付き合っている。
下沢:下沢タクミ。大学2年生。浜崎のことが好き。
二人が付き合っていることは知らない。
(ゲーム研究会)
一柳:会長。策略家? ゲスな男。
西嶋:オタクっぽい。喋らない。
山田:おたくっぽい。しゃべらない。
何もない抽象舞台。
【シーン1】自治会室
自治会室にて、三人がパイプ椅子に座っている。
松永が書類に目を通している。
下沢、立ち上がり、
下沢「次の仕分けはゲーム研究会かあ」
浜崎「松永くんのおかげで、だいぶサークルの整理ができてきたね。
予算と部室を要求してくるばっかりで、なんの活動もしてないサークルを縮小して、
これで新しく申請してくるサークルの受理を検討することができるね!
さすが松永くん、できる男だねっ」
松永「別にそんなんじゃねーよ。俺だって好きでやってるわけじゃないっての。
だいたい会長が俺に仕事押し付けすぎなんだよ。
俺、平役員よ? 雑用係よ?
このサークル棟自治会だって、入りたくて入ったわけじゃないしな・・・」
浜崎「松永くんは、あたしが困ってるから、助けてくれたんだよね♪」
松永「だってお前、あんな泣きそうな顔されたら、ほっとけないだろ」
浜崎「いや、そういうのはいいから・・・」
下沢「おお! それって噂の、『三千円事件』ですか?」
松永「やめろ! 言うな! 思い出したくないっての」
下沢「三千円を三つのボストンバッグに分けて運び出し、誰ひとり傷つけることなく、
三千円を盗み出したというサークル棟の歴史に残る最大の強奪事件!」
松永「いや、あれもただの紛失事件だったんだけどな。
回収した自治会費をきちんと管理できなかった先代の自治会長が悪いっての」
下沢「その『三千円事件』がきっかけで、前会長は失脚。
事件を解決した今の会長と、松永さんが新体制のサークル棟自治会を再建したんですよね!」
松永「なにそれ、そんなに大げさな騒ぎだったの、あれ。
つーか、誰ひとり傷つけることなくって、被害をこうむった奴だっているってのに」
下沢「え、前会長がですか?」
松永「あ、いや、そういうんじゃなくて」
浜崎、恥ずかしそうに、申し訳なさそうに、少し俯く。
松永「ほら、紛失したお金を探して泥まみれになってた、自治会の平役員、とか?」
浜崎「だから、そういうのはいいから・・・」
下沢「いやあ、でも先輩方が自治会でよかったですよー。
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