箱の中には
〜女×女 五つのオムニバス〜
.箱の中には 女×女 5編
箱の中には 女×女 5編 
               作 山上祐輝


.1 ギフト
SIDE1 ギフト


 とある部屋。中央に机がひとつ。
 その上には、小包サイズの白い箱が
 ひとつ。ふたは閉まっている。
 
 そこに、女1と女2が、机を挟んでたっている。二人とも、箱を見ている。
 
 女1「これ・・・なんだと思う?」
 女2「うーん。箱・・・だね。」
 女1「・・・怪しい。」
 女2「そう?」
 女1「だって、差出人もないし、突然机の上に置いてあるし、こう、怪しさがあるっていうか・・・。」
 女2「もしかして・・・(からかうように)爆弾とか?」
 女1「爆弾!?」
 女2「かもよ?(茶化すように)・・・あなた、心当たりあるんじゃないの?」
 女1「・・・うーん。もしかして、冷蔵庫の誰のかわからないプリン、勝手に食べたからかな。恨まれてるかも!」
 女2「(ぼそっと)それ、私の・・・」
 女1「あ、それか、誰のかわかんないタオル、勝手に雑巾にしちゃったやつかな!ピンクの熊のやつ!あー、どうしよう。」
 女2「(ぼそっと)それも私のなんだけど・・・。」
 女1「あー、それか、この前まで付き合ってた彼氏、元々誰かと付き合ってたって言ってたから、もしかしてその誰かから・・・。ああ、どうしよう!」
 女2「全部私なんだけど・・・」
 女1「え、もしかして・・・。」
 女2「もう12時。あなた、よくもそんなに色々してくれたね。12時に爆発するから。」
 女1「そんな、ねぇ、ほんとごめん!謝るから!」
 女2「しらない!・・・もう12時。さよなら。」
 女1「そんな!」
 
 その時、ハッピーバースデーの曲が流れる。
 
 女1「あれ、この曲は?(箱をおそるおそる開ける。メッセージカードを取り出す)」
 女2「(ふてくされて)なにかな・・・。」
 女1「あなた、私の誕生日、覚えてくれてたんだ・・・。」
 女2「べ、別に あなたの為じゃないし。たまたま誕生日カードが余っただけだし。」
 女1「でも、箱にメッセージカードだけって?」
 女2「ケーキは冷蔵庫に先に冷やしたし。」
 女1「・・・もしかして、サプライズ?」
 女2「もう、いいから。早く二人で食べよ。お気に入りのケーキ屋で奮発して買ったから、私も楽しみにしてるし。」
 女1「ごめん!・・・それ、もうさっき全部食べちゃった。」
 女2「・・・爆弾にしとけばよかった。」
 
 終わり。
.2 ボム
SIDE2 ボム

 
 とある部屋。中央に机がひとつ。
 その上には、小包サイズの白い箱が
 ひとつ。ふたは閉まっている。
 
 そこに、女1と女2が、机を挟んでたっている。二人とも、箱を見ている。
 
 女1「これ・・・なんだと思う?」
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