あの夏の日の指切り
麻央   「……はぁ……あっつーい……」

優馬   「……はー、帰ったらアイス食おう。
      暑い……水風呂入りたい……暑すぎる……。
      あれ……家の前に誰かいる?」

麻央   「あっ」

優馬   「えっ……」

麻央   「……帰ってきた」

優馬   「……麻央ねーちゃん?」

麻央   「おかえり。せっかく帰ってきたのにだーれもいないんだもん。
      鍵も持ってないし、溶けるかと思った!」

優馬   「帰ってくるなんて全然知らなかった。
      何で連絡くれなかったんだよ」

麻央   「びっくりさせようと思ったからさ〜」

優馬   「玄関先で待ちぼうけするくらいだったら、諦めて俺に連絡しろよな」

麻央   「もう少し待っても帰ってこなかったら、電話しようと思ってたよ」

優馬   「いや、事前に連絡を……大体部活中は電話くれても出られないし」

麻央   「じゃあ3分に一回LINEする!」

優馬   「なんで既読つけないのよーって? 怖すぎるわ!」

麻央   「あはは! それにしても、こんな暑い中大変だねー。何部なの?」

優馬   「あれ、言ってなかったっけ?」

麻央   「知らないよー」

優馬   「あー、……演劇」

麻央   「おっ!? 高校でも続けてたんだ!?」

優馬   「つーか家入ってから話さねぇ? 暑い」

麻央   「そうだね。あ、お父さんとお母さんは?」

優馬   「二人とも仕事。夜まで帰ってこないと思うけど」

麻央   「そっか。……あれっ涼しい。優馬クーラーつけっぱなしにしてたの?」

優馬   「んなわけないだろ。タイマーだって」

麻央   「ああ、そっか。結構しっかりしてんじゃん」

優馬   「いつまでも何もできないガキじゃないし」

麻央   「そうだよね。うんうん、大きくなったねー!」

優馬   「だからガキじゃないっつってんだろ!」

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