lucky/unlucky
lucky/unlucky
【登場人物】●世界一ラッキーな男(表記上Aとする)
●世界一アンラッキーな男(表記上Bとする)
●女
A 登場(正面を向く)
A「私は世界一ラッキーな男。」
B 登場(正面を向く)
B「僕は世界一アンラッキーな男。」
A・B お互いを見合う
A「私はついこの間、財布を拾いました。
中身はわずかに二千円、小銭を合わせても二千三百二十二円。
ただ、その中に宝クジが入っていました。なんと当選してました。…三億円。」
B「僕はついこの間、財布を落としました。
中身はわずかに二千円、小銭を合わせても二千三百二十二円。
よく細かい、セコイと言われますが、元々が貧乏人なので、
常に所持金は正確に把握しています。…全財産でした。」
A・B お互いを見合う(A 勝ち誇った顔)
A「…私は世界一ラッキーな男。」
B「…僕は世界一アンラッキーな男。」
A「出身大学は東大です。センター試験は全問、鉛筆を転がしました。…パーフェクトでした。
二次試験では、同姓同名の受験番号一番違いの人が、
全ての試験で番号を間違えて書いたおかげで、私が合格しました。…パーフェクトでした。」
B「出身大学はありません。と言うか、出身高校もありません。
僕が試験を受ける時には、必ず事件に巻き込まれます。
高校入試の時は駅の階段で足を滑らせた人の下敷きになり、怪我をしました。
何度も受験するお金も無いので、何とか自力で勉強して大学を受験しました。
その時に乗ったバスはバスジャックに遭いました。
犯人は捕まっていません。完全犯罪…、パーフェクトでした。」
A・B お互いを見合う(A 勝ち誇った顔)
A「…私は世界一ラッキーな男。」
B「…僕は世界一アンラッキーな男。」
A「この前、家を建てました。例の三億円で…。
友人が、そこが良いと言うので、南の島を一つ買って建てました。
今はそこに住んでいます。」
B「この前、家が燃えました。原因は不明です。
友人が、そこが良いと言うので、近所の公園のすべり台の下を無断で借りて、
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