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パペット・ソング

　　　　　１

博士・助手、下手から登場

助手　　　博士、これでやっと長年の夢が叶うんですね！
博士　　　あぁ、人形を人間に変身させて、悪いことを沢山させる夢がついに実現する

　博士、あー＆きー人形を持つ

あー人形（博士の声で）うん！　私、人間になることが夢だったの！
きー人形（博士の声で）博士ありがとう！　すっごい嬉しい！
博士　　　ワシが発明したスプレーを吹き掛ければ、たちまち人形が人間に変身出来る！
あー人形（博士の声で）わー！　博士すごーい！
きー人形（博士の声で）きゃー！　博士ステキ！
助手　　　博士……
博士　　（咳払い）なんだ？
助手　　　い、いえ……
博士　　　では行くぞ！（ポケットの中を探す）ちゃららちゃっちゃらー……ん？
助手　　　どうしました？
博士　　　変身スプレーがない……
助手　　　そんな！　もっとしっかりしてくださいよ！
博士　　　う、うるさい！　とにかく、探しに行くぞ！

　博士・助手、下手に掃ける
　暗転

　　　　　２

　明転
あー人形、下手。きー人形、上手。パーテーションの上から登場

あー人形　ったく！　なーにが『私、人間になることが夢だったの！』だよ！
きー人形　私は本当に嬉しいけどなー
あー人形　え？
きー人形　え？　……あ、ううん。何でもない
あー人形　ねぇ、私達、もうすぐ人間になっちゃうのかな？
きー人形　あーちゃんは人間になりたくないの？
あー人形　だって、人間は人形のことを全く考えてないんだもん
きー人形　そんなことないと思うけど……
あー人形　きーちゃんは人間になりたいの？　私達を研究所に閉じ込めた人間に？
きー人形　それは……
あー人形　きーちゃんがそんな人形だとは思わなかった！
きー人形　あーちゃん！
博士　　（袖から）おぉ、まさかワシのカツラの中にあったとは！
助手　　（袖から）えぇ！　博士ってカツラだったんですか！
きー人形　ほ、ほら。博士と助手が来ちゃうよ。この話はおしまい！　……ね？
あー人形　……分かった

博士・助手、上手から登場
助手、両手にあー＆きー人形を持っている

博士　　　よし、では行くぞ！　そりゃあ！

博士、人形にスプレーを吹きかける。が、反応なし

博士　　　……あれ？
助手　　　まさか、失敗とか？
博士　　　いやいやいや、そんなことはないぞ？　吹きかけ方が悪いだけだ

　博士、何度も吹きかけたあと、自分の顔に吹きかけびっくりする

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