シンデレラの化粧師3
-骨の死化粧-
CAST
○岸辺彩乃(きしべあやの)♀
17歳。東西高校二年生。
祖父の経営するトンカツ屋『きしべえ』でアルバイトをしている。
○岸辺松吉(きしべまつきち)♂
84歳。トンカツ屋『きしべえ』の店主。
10代前半の頃から20代半ばまで、米問屋『本田商店』で働いていた。
終戦後、復員してきた松吉は、定食屋の娘と結婚し、男二人娘二人の子供を儲ける。
彩乃は次女の娘。
○石渡シズエ(いしわたしずえ)♀
旧姓は本田シズエ。22年前に亡くなっており、享年58歳。
豪商だった本田商店の娘で、青年期の松吉と恋仲にあった。
松吉の前に現れたシズエは、最後に別れた20代半ばの姿だった。
果たしてその正体は……?
※衣装は、現代・戦前・戦時中など時代ごとに替えるとよいかと思います。
○アゼル=ミハウ=ポニャトフスキ(男性or女性の男装)
美容室サンドリヨンの化粧師。
少女漫画から抜け出てきたような美少年。
自称ドイツ貴族の末裔だが、姓はイタリア姓。
※以下エキストラです(無しでも可)
○救急隊員複数名
◇ アゼル独白
(アゼル、片手に髑髏のオブジェを持っている)
アゼル「やあ、初めましての方もお久しぶりの方もこんにちは。
僕はイタリア生まれのドイツ貴族アゼル=ミハウ=ポニャトフスキ。
といっても、領地も財産も爵位も何もない、働く貴族。
お客様は神様だから、貴族様の僕も召使いの一人だよ。
さてさて、皆さま。
僕の手に持っているコレが気になるんじゃないかな。
そう、海賊の旗印になってるアレ。人間の頭蓋骨さ。
もしも死んだ後、残った骨に肉付けするとしたら、君はいつの頃の顔をお望みかな?
生前と同じと答えた人は、おめでとう。きっと素敵な人生なんだね。
じゃあうんと若い頃、あるいは特定の顔に戻りたいという人は――?
今日はそんな話をしよう。
骨に焼きついた後悔と、在りし日の残映。
僕と一緒に覗いてみよう。
◇ トンカツ屋きしべえ
彩乃「こんにちはー。今日もガラガラだね」
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