タハラ
〜改造編〜
タハラ
〜改造編〜
仰々しい、よく意味のわからない会話。
でもなんとなくそれっぽい。
その中核になるような言葉が、なんだかかっこ悪かったりする。
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場面は暗い地下か。
ごうん、ごうんと何かの機械の音が鳴り響く。
うすぼんやりと男と女の姿が浮かび上がる。
女は少し高い位置から男を見降ろしている。
女「『至高の獣人』──やつが動き出したようだ」
男「『至高の獣人』? あの、『紅き天災』とも呼ばれた『ガルウォーム』が?」
女「その通り。これはゆゆしき事態だ。早急に『能力者』を集める必要がある」
男「『能力者』・・・『異能』を持つ者でも、あの『獣人』を止めるのは容易じゃあねえだろ」
女「しかし、ただ手をこまねいて見ているわけにもいかない。
『上位の異能者』を数十人集めれば、時間稼ぎくらいにはなる」
男「あんたまさか、暗殺部隊『喪服の楽団』を使うつもりじゃ──」
女「その通り。『楽団』ならば我々の『組織』──『鬼葬機関(きそうきかん)』の準備が整うまでの盾くらいにはなるさ」
男「あんた──自分の部下を捨て駒にする気なのかよ。
『喪服の楽団』は『対能力者』の『武装集団」だぞ。『タハラ』を相手にするのは無理だ」
女「『タハラ』──『鬼』とも呼ばれる種族・・・彼奴等を相手取るには現代兵器では心もとないことはお前もわかっているのだろう。
『タハラ』を殺すことができるのは『異能の力を持つ者』」
男「『楽団』にはあんたの妹もいるんだろ?」
女「・・・・・・・・・」
男「どうしてそんなことが平然とできる!
相手は『タハラ』・・・しかも、世界に十体しかいない『王族級(おうぞくクラス)』の『タハラ』なんだぞ!
『貴族級(きぞくクラス)』や『騎士級(きしクラス)』とは訳が違うんだ!
『至高の獣人・ガルウォーム』──あの『概念装填』の『ププレッパー家』や『水の純血』と呼ばれた『水月真(みつきまこと)』ですら勝てなかった最強の『タハラ』なんだぞ!」
女「最強の『タハラ』か・・・。
確かに『タハラ』と呼ばれる化け物は、種族は、異形は、危険なものかも知れない──しかし、否(いな)、だからこそ、誰かが『掃除』をしなければならないのだよ。
それにこれは『機関』の、『理事会』の決定なのだよ」
男「──だったら、俺がやってやるよ」
女「なに? 『タハラ』──人間ならざる異形のバケモノ。
あれは人間を食い殺すものだぞ?」
男「やってやるよ。異形のバケモノだろうが『タハラの王』だろうが知ったこっちゃねえ。
女の子一人守れなくて、何が男だ。何が『異能の眼』を持つものだ」
女「お前──まさか、『神意の魔眼(しんいのまがん)』を使う気か?」
男「そのまさかだ。俺には、この『眼』しかないんでね」
女「『調停者』が黙ってはおらんぞ」
男「その無理を、俺のこの『眼』で黙らせる!」
女「『神意の魔眼』──「視た」モノの未来を覗き見、『高位の能力者』は「視た」モノのその未来の姿を強制的に現代に引き寄せる、最強の『魔眼』。
しかも複数に分岐する「未来」の中から、自分が都合の良い『方向性』探り出し、強引にねじ込むという・・・貴様、『タハラ』の終焉の姿でも夢想するか?」
男「夢想なんかじゃねえ。
俺は、この『眼』で、しっかりと『タハラ』の未来を『視据えて(みすえて)』やるんだ!
『鬼創庭園(きそうていえん)』に巣食う『タハラ王』をねじ伏せてやるぜ!」
女「ふん、おもしろい。ならばやってみろ。その『魔眼』を使って、『タハラ』共をねじ伏せてみせろ!」
男「敵は──『タハラ』は、俺が倒す!」
軽快な音楽が鳴り始める。
何かのオープニング(?)が始まる。
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