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デリカシー

デリカシー

小賀　　　　バイト
斎藤　　　　バイト
鈴木　　　　店長
真中めぐみ　バイト

飲食店　従業員休憩室　テーブル一つとイス四つ
　小賀が座って鏡を見ている。
　斎藤が入ってくる。
斎藤：おい、お前なんで仕事全部俺に押しつけて行っちゃうんだよ。
　　　フロア大変だったんだからな。
小賀：…。（手鏡を見ている）
斎藤：小賀？
小賀：…はぁ〜…。
斎藤：おいっ！
小賀：なんだよ！？いきなり！？
斎藤：いきなりじゃないだろ。どうしたんだよ？鏡見てため息ついて。
小賀：なんでもねーよ。
斎藤：なんか悩みでもあるのか？親友の俺になんでも言えよ。
小賀：嫌だよ。お前親友でもなんでもないじゃん。ただのバイト仲間じゃん。
斎藤：そんなこと言うなよ。
小賀：うるせーな。ほっといてくれよ。
斎藤：そうかよ。じゃあさ話変わるんだけど。
小賀：なんだよ？
斎藤：お前最近太ったよな？
小賀：話変わってねーわ。
斎藤：？？
小賀：それで悩んでます〜現在〜。
斎藤：なんだそうだったのか。悪い悪い。でも。
小賀：でもなんだよ？
斎藤：女みたいな悩みだな。
小賀：うるせーよ！お前ってさぁ、ほんとあれな。
斎藤：あれってなんだよ？
小賀：お前はあれがないな。あの、デリバリー的なあれが。
斎藤：デリバリー的なあれってなんだよ？
小賀：デリカシー！そう！デリカシーがないなお前は。
斎藤：どういうことだよ？
小賀：だってほんとのことじゃん。人が気にしてることさらっと言うしよ。
斎藤：それはたまたまじゃん。そのことでお前が悩んでるとは思ってなかったし。
小賀：たまたまじゃねーよ。お前気づいてないかもしれないけど結構してるからな。
斎藤：なにをだよ？
小賀：デリカシー無い発言。
斎藤：なんだよそれ？
小賀：しらねーよ！
斎藤：なんでしらねーんだよ！お前が言ったんだろ！
小賀：とにかく言ってんだよ！
斎藤：わかったよ。悪かったよ。
　　　ところでさお前の親父さんなんでリストラされたんだよ？
小賀：そういうとこだよ！！
早速出てるからな！デリカシー無い発言！なに気づいてねーの！？
斎藤：わかんねー。
小賀：もういいわ。絶交だ！お前なんか！
斎藤：お前が親友じゃないって言ったんだろ？
小賀：そういう意味で言ってねーよ！
斎藤：じゃあどういう意味だよ？
　鈴木が入ってくる
鈴木：おい！小賀！
小賀：はい！
鈴木：お前最近たるんでんじゃねーのか？最後の片づけ全部斎藤にやらせてよ。

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