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人の話、自分の話

そんなことはどうでもいいのだ

「人の話、自分の話」
録沢京

あきら
男１
女１
女２
女３
肯定族（一人から複数）

　　　あきらが歩いてくる。
　　　そこに男１が話しかけて来る。

男１　　目玉焼きは何派？
あきら　え？
男１　　目玉焼きには何かける？俺はもう絶対しょうゆなんだけどさ、君は何かける？
あきら　え・・・ソース。
男１　　はー？しょうゆでしょ？しょうゆ以外ありえないよね、てかしょうゆしか選択
　　　　肢ないし。
あきら　はあ。
男１　　ソースとか味覚障害なんじゃないの？君好き嫌いとか多い虚弱児なんじゃない
　　　　の？昔絶対そうだったでしょ？
あきら　あのー・・・
男１　　やっぱしょうゆだよなー、しょうゆは絶対的多数だよなー。もう圧倒的。あ、
　　　　いいよ別に。マイナーな派閥の意見は聞く気ないから。
あきら　あの、僕急いでるんで。
男１　　負け犬の遠吠えだねー。じゃ、俺は輝かしいしょうゆ派達のとこに行ってくるよ。

　　　男１、他の人に話しかけ、目玉焼き議論をふっかける。
　　　あきら、待ち合わせ場所に着くと、人を待ち始める。手持ち無沙汰。
　　　そこに女１が話しかけて来る。

女１　　まーくんがね。
あきら　え？
女１　　まーくんが、おかしいの。最近になって私のこと信用してくれなくなったの。
あきら　はあ、あの。
女１　　またあの男と会ってるんだろとかさ、もう終わった話じゃん？まーくんがもう
　　　　この話は蒸し返さないっていったじゃん？なのにさ、女々しいんだよね。自分
　　　　だって私の知らないとこじゃなにしてるかわかんないのに。
あきら　あの、僕。
女１　　男ってみんなそうなの？人のたった一回の誤ちをいつまでもさ、ぐちぐちぐち
　　　　ぐちと、私だってさ、まーくんが最初の記念日忘れてたのとか、おねしょしち
　　　　ゃったこととか、言わないであげてるのにさあ。
あきら　あ、すみません人を待ってるので。
女１　　何よ、男って本当人の話聞かないんだから。だからだめなんだって、言っても
　　　　分からないのよね、そうよね、わからないからだめなんだわ。だからだめなの
　　　　ね。ああ分かった。そういうことね。

　　　女１、一人でブツブツ言いながらその場を離れ、他の人に彼氏の話を持ちかける。
　　　あきら、ほっとした様子で人を待ち続ける。
　　　そこに女２がやってくる。

女２　　平和が丘公園についてのアンケートの御協力、お願いします。
あきら　あ、えーとすみません。
女２　　平和が丘公園のブランコなんですが、取り付けが甘くなっているうえに、ブラ
　　　　ンコの台に有害物質が含まれています。これを子供が吸うと、九十パーセント
　　　　がんになるんです！
あきら　ええ？
女２　　海外のデータによると、この有害物質を一キロ吸った子供は、七十年以内に九

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