角度を変えれば西遊記
角度を変えれば、西遊記
登場人物
三蔵
ナレーター
悟空
沙悟浄
猪八戒
金閣
銀閣
偉人
三蔵出てくる
ナレーターは脇で書類をもちながら語る
ナレ「みなさま、こんにちは。私、ナレーターでございます。これからお話申し上げるのは、一風変わった西遊記でございますが、みなさま、西遊記をご存知でしょうか。今舞台にいますのは三蔵法師。これから天竺を目指すところです」
ナレーター、初めて三蔵を見る
ナレ「あれ?女性ですね・・・(書類を見ながら)。ちょっと、史実と違うみたいですが、見ていきましょう。まず、三蔵法師は旅のお供に仙猿、孫悟空を選びます。ですが、ここでひとつ問題が発生するのです」
三蔵「ここか」
ナレ「そう。孫悟空は洞窟の岩に封印されていたのです」
三蔵「ここが、サーカスのテントか」
ナレ「!(書類を見ながら)そ、そんな記述はどこにも・・・ありませんよ?三蔵さん、テントで何をなさるおつもりなんでしょうか」
三蔵「ふんふん。いろんな動物がいるな。・・・おっ、いたいた。お目当ての猿」
ナレ「ストップ!少々お待ちを」
ナレーター、携帯をとりだし、話はじめる
ナレ「ちょっと、この仕事大丈夫?ナレーターできるっていうから引き受けたのに。第一、一風変わった西遊記としか聞いてないんだから。・・・。そうだよ、世界の車窓からの石丸謙二郎さんみたいになりたいんだよ。なのに、はなっから時代背景壊すようなことしでかして、あの三蔵法師。えっ?・・・この仕事成功しなければ後は無い?そんな・・・。物語に入ってでも成功させろ?あっ!・・・切られた。物語に入れるのかなぁ」
ナレーター、「えいっ」とかいいながら、何かの一線をこえる
ナレ「あっ、簡単だ。なにか、タブーを犯した気分だけど、背に腹は変えられない。再生っ!」
三蔵動き出す
三蔵「ど・れ・に・し・よ・う・か・な。こいつだ。こいつが孫悟空。よし、盗むか」
ナレ「お待ちをー!それはただの猿です。仙人の力なんぞ持ち合わせていません。それに盗むとかそういった言葉を使わないでください」
三蔵「・・・だれだ?」
ナレ「21世紀からきた、ネコ型ロボットではありませんのであしからず。それから、サーカスはありません。このテントは・・・。そうです。妄想といいますか、想像力豊かな三蔵さんがつくりだした幻覚です」
三蔵「・・・故障かな?」(ナレを調べる)
ナレ「故障じゃありません。よって、修理にださなくても結構。ほら、本当の孫悟空のいるところにいきますよ」
三蔵「な、なんなんだ?」
ナレーター、三蔵を強引にひいていく
場面変化
ナレーター、三蔵をみているため後ろにいる孫悟空を見ていない
ナレ「ここです」
三蔵「ここじゃないだろう」
ナレ「いや、ここなんです」
三蔵「いやぁ、ちがうよ」
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