あらすじ
雪の積もったこの日、朝からカフェには、多くの客が訪れていた。朝帰りの十河(そごう)、ミステリーファンの金指(かなざし)、常連客の芥島(あくたじま)と白貝(しらがい)、そして通勤できずここで仕事をするはめになった鴨池(かもいけ)。
普段は静かな店内であるが、この日は、法外な値段の布団を斡旋する鴨池の電話に皆一旦は眉を顰める。しかし、聞こえてくる会話に皆引き込まれることとなる。電話の相手である嘉納八重子(やえこ)のご主人が殺されたというのだ。
第一発見者は、お手伝いさんの節子(せつこ)、次は自分の番かもしれないと怯える八重子、色めきだすミステリー好きの客たち、鴨池の電話を中心として、ここに遠距離での事件解決を目指す推理合戦が巻き起こる。