あらすじ
某国を襲ったあの未曾有の大災害からはや五年。生きていくすべを失った彼はМаксим(マクシム)という地下犯罪者に助けられ、病弱な母を救うために犯罪に手を染めた。そして今日で五年。足を洗って新たな道、高校生活を再開する主人公、Матвей(マトヴェイ・呼称:モーチャ)。彼の名前の由来は「神の贈り物」というところにあるらしい。もともと人当たりの良かったモーチャは友人を手に入れる。Софья(ソフィア・呼称:ソーニャ)とКирилл(キリル・呼称:キーラ)は特にいつもお弁当を一緒に食べるほど仲が良かった。そんなある日、突然、彼は新しく始まった高校生としての生活を失い始める。それは担任、Михаил(ミハイル)がうっかりこぼした一言に起因する。モーチャが風邪で学校を休んだある日、プリントを持っていく仕事を引き受けようとしたキーラに対してミハイルは「あいつにはいろいろと事情があってなぁ…。」と言う。いろいろと事情がある、という言葉が引っ掛かったキーラはミハイルに詰め寄ったがはっきりとは答えてもらえなかった。キーラは翌日、学校に来たモーチャに「何か困っていることはないか」と尋ねる。だが、モーチャは適当に濁すばかりでちゃんと答えない。そこで、キーラはモーチャに対して疑いの目を向け始める。そんな中、調べ学習として五年前の災害について学ぶ授業が行われる。体験者から直接話を聞く機会として呼ばれたのはまさか、マクシムだった。マクシムは当時の写真をプリントにしてきたといい、配布した。その中で犯罪を繰り返していたという、子供たちの写真としてモーチャも出されていた。それに気づいたキーラはソーニャに話をして距離ができてしまう。もう一度、あの頃に戻れたら自分はどんな道を選択したのか、そんなことを考えてしまうなかでマクシムにこれ以上写真をばらまかれたくなければ金を払うようにと脅迫までされる。モーチャは自殺をする。目が覚めてみてみると、辺りはあの災害の時と同じ様子。過去へ戻ったようだった。マクシムが大丈夫かと声をかけるのを見て振り払って逃げた。(暗転)(現在へ戻る)そして、再び目を覚ました時に、写真立てと線香を見つける。それによると母はどうやら死んでしまったようだった。母を救えなかった罪悪感を胸に抱きながら、学校へ行くと前のようにキーラとソーニャは気さくに話しかけてくれた。キーラとソーニャと話しているうちにモーチャは母を救えなかったにもかかわらず自分は楽しく学生生活を送ってよいのだろうか、と考えるようになる。再び自殺をしてしまう。目を覚ましたのは例の通り、マクシムに声をかけられたところだった。声をかけられたモーチャは再び犯罪に手を染める。(現在へ戻って母の「行ってらっしゃい」の声とともに暗転解除)彼はキーラとソーニャが気さくに話しかけてくれて弁当を食べながら、キーラが「何か困っていることはないか」と聞かれ、正直にすべて答えることにした。ソーニャは「モーチャ、正確にはマトヴェイ、どういう思いで親がつけてくれたのか、わかんないけどさ、『神の贈り物』って意味がある名前なんだ。僕たち人間というのは、きっとその贈り物を受け取り拒否することなんてできないんだよ。正面から受け取るしかないんじゃないかな。まぁ、モーチャの場合は贈り物っていうよりかは試練みたいな感じだけど、その贈り物をしっかりと受け止めることこそ、僕たちの成長なのかもしれないね。」それに対してキーラは湿っぽいことを言うなよと言いながらも午後の意気込みを言って笑いを誘い終演。