あらすじ
みなしごの木こりは昨晩飲みすぎました。
あの桃太郎がどんぶらこっこと流されていた川で吐いていると、お尻のような立派な形をした小ぶりの桃が流れてきます。桃太郎の前例があるからか、木こりは死にもの狂いで川に飛び込み桃を救出するのでした。
そんな木こりとは異なり、洗濯に来た周りの人々は桃なんかには見向きもしません。
救出した桃には桃子と名づけ、すっかり愛着の湧いた木こりは、桃子と桃太郎を川に流した彼らの親に怒りを覚えます。みなしごの木こりからしたらこれは「保護責任者遺棄」であり、「育児放棄」なのです。
自らの出生に重ね、上流にあるはずの桃の木を切り倒しに行くのでした。
三日三晩かけようやく切り倒した桃の木は下流に多くの桃を流しました。
桃太郎の噂を聞きつけた人々はこの間とうって変わり我先にと桃を拾うようになりました。
すっかり酔いの覚めた木こりはすっかり記憶をなくし、私有地の桃の木を無断で切った罪に問われるのでした。