あらすじ
覚えているのは彼女と喧嘩したあと、
トラックが目の前に迫ってきたまでだ。
そのあと悲鳴とか救急車のサイレンとか色々聞こえてた気がするけど
覚えてないや。
何かもう、頭ん中ごちゃごちゃしてるけど、これだけは分かる。
俺、死んだな、これ。
だって頭に輪っかついてるもん。
天使の輪っかついてるもん。
変な格好した奴が俺に話し掛けてくる。
アンタは一体誰だ?死神?
へぇ〜、死神なんているんだ、実際。
てか、俺死んでんのに何か、お前、軽くない?
まぁいいや。
え?ああ、わかってるって。
地獄だか天国だかに連れて行くんだろ?
え?なに?なにそれ?ちょっと待って!もう一回言ってくれ!
わ、わか、わ、わか、わかわわ、わかれ、わか、
別れを告げられるの?!
行く!行く!行きます!行かせてください!
別れを告げに行かせてください!
彼女に、亜紀にどうしても伝えたいことがあるんだよ!
でもよ、一体どうやって別れを告げるの?
夢枕にでも立つのか?
え?
生きてる人間に乗り移る?!