あらすじ
突然だけど、私は不幸だ。恋人もいない。友人もいない。家族もいない。生き甲斐もない。あるのは、両親が残してくれた数少ない財産と、12歳のころからストップされた思い出、そして、孤独という現実…
私は不幸だ。もう、死んでしまおう。そう思った矢先、ある噂を聞いた。この世には、どんな願いもかなえてくれる魔法使いがいると。
最初はそんな迷信、信じる気にもならなかった。だけど、私はその魔法使いの噂を耳にするうちに、私の心の中にある光が宿ったのを感じた…もしかしたら、その魔法使いが、私の唯一の生きる希望なのかもしれない。
「願望の男」…それが魔法使いの名前。私は今日、その男に会いに行く。私のこの予感を…胸のざわめきの正体を、確かめるために…