Sweet Merry X'mas
(ホテルのラウンジで、酒を飲みながら男女が話している)

早紀   「凡ミスしたのは先輩なのに、なんで私が後始末しなきゃいけないの!?
      先輩をかばう上司も上司だよ、納得いかない!」

亮一   「もう酒はやめとけよ、ちょっと飲みすぎだ」

早紀   「気の遣いどころを間違わないでよ?
      私は今日、すごーーく疲れてるんだから!!」

亮一   「はいはい、申し訳ありません。
      (店員を呼び止める)
      あ、すみません、えっと……」

早紀   「ハイボール!」

亮一   「……同じもので。あ、ひとつは薄めにお願いします」

早紀   「だからいらん気を遣うなっ」

亮一   「はいはい、それで!?」

早紀   「うわー……へこむ」

亮一   「は!?」

早紀   「扱いが雑」

亮一   「……そうか?」

早紀   「中学からの腐れ縁がやっと切れるの、嬉しい?」

亮一   「なんだよそれ。俺は早紀と縁が切れるなんて思ってないけど?」

早紀   「へ〜、そうなんだ?
      海外転勤で何年も戻ってこれないのに?」

亮一   「つかず離れず、ここまでずっと付き合いも続いてたろう」

早紀   「まぁ、そうだけど。……考えてみれば人生半分以上一緒にいるもんね」

亮一   「よくここまで続くなと思うよ、自分でもな」

早紀   「そりゃあ、あれよ。……恋人じゃないからじゃない?」

亮一   「あー、そうきますかー」

早紀   「もともとほら、ねえ?
      あんたが顔に似合わず甘いもの好きだから!」

亮一   「スイーツ男子なんて、今じゃ別に珍しくもないじゃないか」

早紀   「だってあんた当時高校生じゃん!
      そんな言葉もありませんでした〜!」

亮一   「……俺はその……甘い青春を満喫してたんだよ……」

早紀   「ぷっ、それは苦しい……!」

亮一   「ったく……。こっちだってお前がそんなに口と性格に難のある女だとは思わなかったよ」
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