嘘だけど(教員編)
【ダブクラ・幕showオンラインバトル バージョン】

「嘘だけど(教員編)」


  とある学校の卒業式の日。
  ここは教室。
  担任の先生は生徒達に最後の言葉を贈る。

  卒業式っぽいBGMがほのかに流れている。


「みんな、卒業、おめでとう。
 今日でみんなは、このクラスを、この学校を卒業する。
 これからみんなは長い人生の中でいろいろな困難にぶつかると思う。
 だけど、君たちなら、必ず乗り越えられると信じている。──嘘だけど」
 
    間。

「先生はこの一年間、君たちと一緒に過ごせて本当に楽しかった。嘘だけど。
 私がいままでに受け持ったクラスの中で一番のクラスだ。嘘だけど。

 (先生、だんだん涙ぐんでいく) 

 村上、お前は、学級委員長として、このクラスの為に、本当によくがんばってくれたな。
 先生、ずっと見てたぞ。嘘だ!
 
 山下、お前はいつも不良ぶってばっかりいたけど、本当はいい奴だよな。
 先生、ほんとは知ってるんだ。
 お前が毎朝、花瓶の水を変えてくれてたこと。
 お前が毎朝、黒板や教卓を綺麗に掃除してくれていたこと。
 嘘だ。作り話だ。

 山崎、卒業おめでとう。
 このクラスが体育祭で優勝できたのは、お前のおかげだ。みんな感謝してる。
 と思ってるだろ? 嘘だ。そう思ってるのはお前だけだ。

 前原! ・・・嘘だっ!

 相田。あいだ──は、このクラスじゃないか。
 ん? お前誰だ? あー、土井、ねえ。下の名前は? タカコ。土井タカコね。
 わかった。今から覚える。ま、嘘だけど。

 福永、お前が校内の美人コンテストで優勝したとき、先生こう思った。
 ・・・ない。

 吉岡! 吉岡は、いっつもいっつも、いっつも、いっつも・・・(涙になって言葉にならない) 
 (頷いて見せる。以上。) 
 
 鈴木、俺はお前の笑顔、好きだぜ? 嘘だ! どちらかというと嫌いだ! ・・・ない。

 姫路、卒業おめでとう。お前はほんとに優しくて、ほんとにあたたかくて、
 自分よりも他人のことを先に考えるような、
 そんな心の優しい女の子だったらよかったのに・・・

 梨田マイコ、好きだ!

 出来杉、卒業おめでとう。出来杉、頭のいいお前にとって、周りの人間はバカに見えたかもしれない。
 学校生活は、とても退屈なものだったかもしれない。
 でも大丈夫だ。お前が卒業して、学校の外に出たら・・・もっときつい。つまんない。
 もしもお前が、就職して、社会人にでもなったりしたら──死ぬ!
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