補陀落追想

(ふだらくついそう)
初演日:2011/5 作者:浅沼諒空(音声劇団ばなわに!)
「補陀落追想」
作:浅沼諒空


《登場人物》
 ●女性→東京から友人の納骨にやってきた。
 ●マスター→喫茶店のマスターをやっている。
   年齢設定はキャストに合わせる。
 
  場所は日本の地方都市、女性は道端で一人懊悩に身を捩っている……という設定。


女性    (溜め息) どうしよう〜どこに置いて来ちゃったんだっけ……どうしてこういう時って前後の記憶が曖昧になっちゃうのかなあ……はあ〜……(独り言である点に留意)
マスター  あのう……
女性     ううん……。
マスター  あのっ!
女性     は、はいっ?な、何か用ですか?
マスター  はい、先程から道端でうんうんうなっているのが見えたから、何かあったのかな、と。どうかしましたか?
女性     (知らない土地で不測の事態が起きたので不安で半泣き)は、はい〜実はその、この辺で落し物をしちゃって……いえ実はこの辺かどうかもアヤフヤなんですけど……
マスター  (苦笑しつつ)ははあ、そんなに大切なものでしたか。
女性     はい。無くしちゃったら自分の中であまりに情けないというか、申し訳ないというか……。
マスター  分かりました。よかったら、僕も一緒に探しますよ。
女性     ありがとうございます。でも、いいんですか?ご用事とか……。
マスター  大丈夫ですよ。それで、何を落としたんですか?
女性     えーとですね、なんというかこう、緑っぽい色のスベスベしてツルツルした布でくるんであって。中身はお洋服だったんですけど……。
マスター  (しばし考え込むが、何か思い出したように)緑っぽい色の?袱紗(ふくさ)の事ですか?
女性    はい、そうです。
マスター  (はっと思い出す)ああ〜、それって貴方のだったんですか!
女性     知ってるんですか?どこで見たんですか?
マスター  ええ、(ちょっと言いにくそうに)仰っていたような品物がさっき道路に落ちていたので、駅前の交番に届けておきました。すぐ分かると思いますよ。
女性     よ、よかったぁ〜本当にありがとうございました。
マスター  いえ、見つかってよかったですね。まあ普通はそんな簡単に落っことしたりはしないはと思いますけど……よりによって改札出て数分で道端に放置とかは……。
女性     うう……以後気をつけますぅ。いつもはここまでひどくは無いつもりなんですけど……。

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